【ロエべ】のプレゼンテーションをレポート。ジョナサン・アンダーソンの類いなきエレガンスを見る

11年間にわたり、クリエイティブ・ディレクターを務めたジョナサン・アンダーソンがラストコレクションを発表。メンズ・ウィメンズの合同展覧会にはクラフツマンシップを愛する気持ちとアートへの敬意が凝縮されていた

11年間にわたり、クリエイティブ・ディレクターを務めたジョナサン・アンダーソンがラストコレクションを発表。メンズ・ウィメンズの合同展覧会にはクラフツマンシップを愛する気持ちとアートへの敬意が凝縮されていた

美学と技術を詰め込んだスクラップブックのように

【ロエべ】のプレゼンテーションをレポートの画像_1

ジョナサンがキュレーションした主役級のアートピースが展示される。会場は、かつてカール・ラガーフェルドが住んでいた邸宅だ

会場となったのは18世紀に建てられた邸宅、オテル・ド・メゾン。テーマごとに分けられた17の部屋を、来場者が回遊する仕立てだ。豪奢な空間に並ぶのは、ルックに加えてブランドに縁のあるアートピース。服を、芸術の一つとして捉えるジョナサンの意識が感じ取れる展示方法だ。「アイデアのスクラップブック」として構想されたコレクションには、レザーへの技巧的なアプローチやトロンプルイユなど過去にも見られた手法と、まだ見ぬシルエットと素材への探求が融和。去る者としての集大成を見せつつ、枯渇することのない創造性を訴える、そんな圧巻のコレクションだ。

【ロエべ】のプレゼンテーションをレポートの画像_2

カサロエベ表参道でも展示されていたカボチャのオブジェシリーズ、アンセア・ハミルトンの「Giant Pumpkin No 2」(2022)が会場の入り口でゲストを出迎える

【ロエべ】のプレゼンテーションをレポートの画像_3

ひときわ高い芸術性で目を引いたカラフルなドレスシリーズ。真珠を型として使い、シルク糸に粒状の加工を施すという異次元のクラフツマンシップを披露した

【ロエべ】のプレゼンテーションをレポートの画像_4

今回の創作の着想源の一つとなったのは、20世紀モダニズムの先駆者であるアーティスト、ジョセフ・アルバースとアニ・アルバース夫妻。コラボレーションによって生まれたのは、グラフィカルな色彩のブロックを、「スクイーズ」にビーズ刺しゅうで描いた芸術的なバッグやコートなどのウェア

ロエベに関する最新記事はこちら