2025年12月7日19時
@岡飯OKAFUN(恵比寿)
池田 俺、シャネルのメティエダール コレクションのショー(13)を観にNYに行ってきたばっかりなんですよ。
菅野 オンラインで見たけど、新鮮だったよね。これまでだったら、コモ湖のヴィラを舞台にラグジュアリーな世界が繰り広げられたもんじゃない?
池田 ショーの会場が地下鉄の駅だった、というのが一番大事で。いろいろな職業、立場の人が行き交う、ヒエラルキーのない場所を選んだんだって。
菅野 アライアのクリエイティブ・ディレクターのピーター・ミュリエも同じようなこと言ってた。ショーの招待状が折りたたみ椅子で、ランウェイを〝民主化〟したかったって。
池田 では、今夜はファッションだけと言わず、リアルに欲しいものについて語りましょう。
菅野 一度聞いてみたかったんだけど、スタイリストの二人は普段からたくさんの服を見ているけど、実際に買うものってどう選んでるの?
飯田 うーん、何も考えてない。
菅野 えー!
飯島 私もあんまり考えてないかな。
池田 逆に言うと、自分の着るものが好きなものってことなのかもね。
飯島 そう。セレクトショップのカタログのスタイリングをやったりするので、仕事しながら買うことも。最近は青山のアトリエエムオーでよく買い物してます。
飯田 私はENNOYのスウェット。これは上下で3セット買っちゃった。裏起毛でめっちゃあったかい。着心地のよいものばかり選んじゃう。
菅野 私はハイブランドのデザイナーが一気に交代しちゃったから様子見中。ドリス・ヴァン・ノッテンが去ってからというもの、失恋状態よ。でもジョナサン・アンダーソンのディオールのメンズコレクションは好き。
飯田 カール・ラガーフェルド亡きあと、あの地位までいけるのはジョナサンだろうなと思ったよね。
菅野 私、最近ベルギー人の才能に驚いてるの。ドリスを筆頭にラフ・シモンズ、シャネルのマチュー・ブレイジー、サンローランのアンソニー・ヴァカレロ。メリル・ロッゲもね。
飯島 ベルギー人らしさってどんなところなのかな?
菅野 みんな自分の街から離れないよね。パリで大成功するぞ!っていうよりも、心の安定を大切にしてそう。メリルは過去のインタビューで「エンターテインメントをやるわけじゃない」とも言ってた。
池田 なるほど。そんな中であえて今季好きなブランドを選ぶとすると?
菅野 やっぱりルイーズ・トロッターがやってるボッテガ・ヴェネタは欲しいと思ったな。
飯田 そうそう。シンプルなんだけど、ちょっと可愛いところもあってね(7)。私は可愛いものが好きなので。
菅野 珠ちゃんはルイーズがやってたカルヴェンもよく着てたよね。
飯島 オーバーサイズのジャケットのルック(10)が好きだったな。リアルに着られそうなところがいいよね。
飯田 私は天の邪鬼だから、結構トレンドで取り上げられてるプレッピーな路線は”そうなんだー”って感じで。自分は王道のポロ ラルフ ローレンが好き!って思っちゃいました(笑)。
池田 そうなんだ。ランウェイからインスパイアされて物欲を刺激されてる人が多いけど。
飯田 ポロ(4)はオーセンティックなスウェットパンツが好き。太ももあたりにカレッジなロゴが入ってるタイプは普段からよくはいてる。ラガーシャツも買い足したいし、小さくマークが入ったバッグも欲しいな。
飯島 スポーティなバッグ、ちょっと自分も気になってます。ラコステのバッグを最近愛用してる。
池田 イージーは、服以外で気になるものはある?
飯島 スタイリスト的な観点で言うと、私、実は洗濯が大好きで。リファに洗濯水をアップデートする器具(8)があるんだけど、それが欲しい。白いものが白くないと、絶対に嫌なので。
池田 なにそれ、よさそう。
飯島 メゾンの高い服はなかなか手が出ないんだけど、これなら毎日洗濯の仕上がりがよくて、気分も上がりそう。
菅野 日々の生活が向上するのはいいことだね。私はいまお茶を習ってるの。日本の文化に惹かれていて。ちなみに日本の宝といえばパールだけど、タサキのピアス(2)は私を素敵に見せてくれるからいつも身につけてる!
池田 結局自分じゃん!(笑)
菅野 それとテーブル トゥ ファームっていうECのスーパーマーケットを追ってる。自然な農法で育まれた在来種の米や野菜などを販売しているんだけど、そこが創業250年の窯元、信楽 雲井窯とコラボした土鍋(3)が欲しいの。お料理上手の珠ちゃんもきっと好きだと思う……って聞いてる?
飯田 ああ、聞いてる聞いてる。この火鍋辛いね〜。
菅野 ちょっと、ちゃんと聞いてよー。
飯田 私は相変わらずヘンテコなものを買いたいんだよね。インスタで偶然出合ったものとか。最近は、びっくりして跳んでる猫の写真ばかりを集めたカレンダー(5)をポチったばかり。
菅野 珠ちゃん、猫好きだもんね。
池田 猫といえばうちの猫も相当可愛いのはご存じですよね?
菅野 出た、メガネ編集長の猫自慢。池田 仕事で留守がちなときも見守ってくれる、全自動猫トイレ(11)を買いまして。これ2025年のベストバイ。
菅野 えー、いいね。
池田 猫が用を足すと、固まった砂がトレイの下の容器にざーっと流れて、常に清潔だから猫もうれしそう。アプリと連動してて、容器がいっぱいになると通知がくる。2週間ぐらいは大丈夫。
飯田 すごいね。でも、でもうちは過去に愛猫を看取ったショックのほうが大きかったので、いまの状態だったら、もう飼うことはないかな。思い入れが強くなりすぎちゃうので……。
菅野 ひとつのことに全力で愛情を注ぐ、珠ちゃんぽいわね。
飯島 私はこの仕事が落ち着いて引っ越したら、動物と一緒に住んでみたい。
菅野 仕事を引退したらどうしようかなって、考えちゃうよね。私はドリスが立ち上げるアートプロジェクトに興味津々で。インターンしたい!
飯島 海外移住いいですね。私は10年ぶりにスペインに行ってきて。人柄が日本と似ていて、すごく楽。特にマドリードはアートも盛んで、渋くて私好みだった。現地の人のおしゃれスナップもしたんだけど、話してみるとフレンドリーではないにしても、内にパッションを秘めている人ばかり。
菅野 困ったことを聞くと、もういいよってぐらいに説明してくれるよね。
飯島 そうそう(笑)。念願のサグラダ・ファミリアにも行ったんだけど、足を踏み入れた瞬間に思わず涙が出ちゃった。その考え方とか感覚に、ぴったり共感しちゃったみたい。
飯田 いい場所との出合いだね。
飯島 それで、人生の後半戦は誰かのために生きていきたいなって思ったの。いま尊敬する先輩クリエイターから、若い才能ある人たちまで幅広い世代と仕事をすることが多くて、自分は世代間をつなぐのが役割だと思ってる。
池田 10年先のことなんて想像できないんで。紙の雑誌をまだ作れることに感謝しつつ、実直にやっていきたい。
菅野 誠実なものづくりね。ドリスもそう言ってた。
池田 究極、すべてがフラットな世界でやってみたいと思いますけどね。マチューじゃないけど、世代も関係なく。
飯島 これからの若い人たちにもこの仕事が楽しいって伝えたい。
飯田 私がSPURで素敵だなと思うのはいつだってイージーのページだわ。
飯島 ありがとう(涙)。
池田 時間のことについて考え始めると、買い物計画も変わってくるけど、最近欲しいのが時計でして。
飯島 わかるわー。ロレックスもカルティエも持っているけど、結局日常的に使いやすいのはエルメスかな。
池田 俺がいま欲しいのはピアジェの「アンディ ウォーホル ウォッチ」(12)。
飯島 あの時計はデザインが秀逸だよね。私も好き。あれ持ってたら、「この人わかってるな」って感じ。編集長はずっとメガネがトレードマークだけど、私も最近メガネデビューして。今日つけてるのはイギリスのサヴィルロウ(9)。遠近両用なの。
池田 俺もいよいよ遠近両用を買おうかな。ちょっとかけさせて。
飯島 どうぞ。
菅野 レオナール・フジタみたい!
飯田 いいね、猫好きだし。
池田 俺はメガネは全部似合うの(笑)。
菅野 私はきたるAI時代に対抗して、クラフツマンシップに立ち返ってる。スペイン発のグアナバナ(1)の手仕事バッグが可愛いの。
飯田 私たちは実際に服に触る立場だから、SNS映えじゃなくて、本当の物のよさも伝えられるといいよね。写真でみると一見普通なんだけど、着てみるとすごくいいものって多いし。最近はカメラマンの岡本充男くんに教えてもらった英国のアンダーソン・シェパード ハバダッシェリー(6)がよかった。ポロニットってタイトだったり、硬くなりがちなんだけど、楽に着られてちょうどいいサイズ感なの。
菅野 英国好きの珠ちゃん、さすが。私は世界の手仕事が好きすぎて、気がつくと染色織物研究会会長みたいな風貌になっちゃう。やっぱり自分とは違う感性も参考にしないとね!