パリ在住アーティスト・河原シンスケさんが30年以上愛用する【エルメス】のバッグとその中身を公開!

さまざまな業界で活躍するファッションラバーが、お気に入りのバッグと必需品を紹介する連載「おしゃれな人のバッグの中身」。第21回は、パリを拠点に活躍するマルチアーティスト・河原シンスケさんが登場。30年以上愛用しているというエルメスのバッグと、気になるその中身を教えてもらった。

さまざまな業界で活躍するファッションラバーが、お気に入りのバッグと必需品を紹介する連載「おしゃれな人のバッグの中身」。第21回は、パリを拠点に活躍するマルチアーティスト・河原シンスケさんが登場。30年以上愛用しているというエルメスのバッグと、気になるその中身を教えてもらった。

河原シンスケプロフィール画像
マルチアーティスト河原シンスケ

1980年代よりパリ在住のマルチアーティスト。ブリュッセルのELEVEN STEENSでの個展のほか、パリ造幣局博物館、西本願寺伝道院など、国内外の展覧会で作品を発表。エルメスとの取り組みは、香水『ローズイケバナ』のリミテッドボトルデザインや、同社のサステイナブル部門「petit h(プティ アッシュ)」における多数のプロダクトデザインなど多岐にわたる。2023年4月大阪中之島美術館にて開催された「エルメスの petit h - プティアッシュ」展覧会では、空間とコンテンツの領域を超えたアーティスティックなセノグラフィーも手がけた。「ウサギ」は、彼のこれまでの活動に重要な主題となっている。©︎K.Kurigami

30年以上、人生をともに過ごしてきたエルメスの「スマック」

エルメスの「スマック」バッグ

バッグ・バンダナ/エルメス、サングラス/セリーヌ、コート/バーバリー×ゴーシャ ラブチンスキー、トップス/LOOPWHEELER、デニムパンツ/トローヴ、シューズ/バレンシアガ、ネックレス・小指のリング/SHINSUKE KAWAHARA×フェスタリア、人差し指のリング/パリのヴィンテージショップで購入

ペインティングから立体、空間構成まで幅広い分野で才能を発揮し、メゾンブランドやホテルなどのクリエーションを手がける河原シンスケさん。1994年から始まり今も続くエルメスとのコラボレーションは、物語と遊び心を宿したアイテムが多くの人を魅了している。そんな河原さんが日頃から愛用しているというエルメスの「スマック」を手に入れたのは、1990年代。「パリのエルメスを訪れた際に、すごく面白い形のバッグだなと思い購入。お付き合いがスタートする前でしたが、もともとエルメスが好きでよく買い物をしていました。当時スペシャルオーダーしたボリードの大きなバッグは、旅行用として今も使っています。こちらのスマックは、シンプルだけどアバンギャルドなデザインですよね。日常的に愛用していて、収納力も高いんですよ。お直しには出してないのですが、30年以上経った今も状態がきれいでつくりのよさを実感しています」。

流行りや固定観念にとらわれず、自分らしく自然体なスタイリングをすることが河原さんのマイルール。「上質なバッグを持つ時は、あまりドレッシーにならないように気をつけています。古着が好きなので古着も多いですし、カジュアルに持つくらいのバランスが好きです」。

こだわりのレザーグッズや自身の作品が日常を彩るバッグの中身

エルメス スマック バッグの中身

(左上から時計回りに)書籍/『ELOGE DE L’OMBRE』、バンダナ/SHINSUKE KAWAHARA×フェスタリアのノベルティ、ゴールドの各リング・シルバーのバングル・シルバーのネックレス/SHINSUKE KAWAHARA×フェスタリア、ターコイズのループタイ/友人からもらったもの、カメオのリング/パリのアンティークショップで購入、ポーチ/アンダーカバー×ブリジット・タナカ、鉛筆/ステッドラー、ノート/SHINSUKE KAWAHARA×クリストフルのノベルティ、スカーフ/SHINSUKE KAWAHARA×エルメス、サングラス/セリーヌ、メガネ/カルティエ、メガネケース/ヴァレクストラ、アップルウォッチ/アップル、スピーカー/CASSETTE SPEAKER OP90、名刺入れ/ヴァレクストラ、ヘッドホン/ソニー、ポーチ/ピエール アルディ、香水/uka、オールインワンセラム/ヌードゥブラン、リップ/タカミ、財布/コーネリアンタウラス、チャーム/ピエール アルディ、お守り/元伊勢籠神社、バッグ/エルメス、グローブ/トム フォード、巾着バッグ/SHINSUKE KAWAHARA×コーネリアンタウラス

こだわりのスモールレザーグッズやコンパクトな画材道具のほか、河原さんがデザインしたコラボレーションアイテムが目を引く。「ものを選ぶときは高価でも安価でも関係なく、それが好きかどうかを大切にして選んでいます」。

シックに統一されたコラボレーションアイテムとお守り

チャーム ピエール アルディ 巾着バッグ コーネリアンタウラス

河原さんのモチーフであるプチウサギがプリントされたチャームは、ピエール アルディとのコラボレーションアイテム。ブラックの巾着バッグは、コーネリアンタウラスとタッグを組み製作したものだそう。「ポーチのようにバッグインバッグで持つのはもちろん、財布、携帯、パスケースなどが入るので、これ一つで出かけられます。洋服だけでなく着物にも似合うようにデザインしました。中にはトム フォードのグローブを入れています。だいぶ前に購入したものですが、レザーも美しく、お気に入りです」。

日本では天橋立を拠点にしている河原さん。お守りは天橋立にある元伊勢籠神社で、新月の日に参拝する「むすひ詣り」をすると授与されるというもの。「お参りにもよく行くのですが、毎年元伊勢籠神社の絵馬のイラストを描いているんです。宮司の海部家が代々世襲し、現在の当主で83代目。家系図は国宝にもなっているすごい神社なんですよ」。

思い出やストーリーが詰まったジュエリー

インディアンジュエリー フェスタリア リング バングル ネックレス

インディアンジュエリーのループタイとサボテンモチーフのブローチは、爽やかなターコイズが際立つデザイン。「カメオのリングは18世紀のもので、パリのヴィンテージショップで購入しました。当時のカメオはどちらかというと男性のジュエリーで、例えば尊敬する哲学者や法皇、憧れのアーティストなどのポートレートを石に彫って身につけていたのだとか。これはアーティストじゃないかと、店主に教えてもらいました。石の周りに18Kの枠がついていたのですが、指輪にはなっていなかったので、自分でオーダーして指輪に作り変えました」。

河原さんとジュエリーブランドのフェスタリアがコラボレートしたネックレスやリング、バングルも。古代ローマを着想源にオリジナルの物語が吹き込まれたジュエリーは、コインにプチウサギが刻まれた美しい逸品。「絵を描く時もそうですが、いつも背景のストーリーを考えてから作品作りをしていて、これもその一つ。身につける時は、テイスト関係なく好きなものを組み合わせています。洋服もジュエリーも自分がいいと思うものを信じ、それをミックスしながら楽しみたいんです」。

ミニマルにまとめられたスキンケアグッズ

ピエール・アルディ ポーチ uka 香水

デザイナーのピエール・アルディにもらったという布製のポーチには、スキンケアアイテムや香水、リップなど必要最低限のコスメが収納されている。「あまり肌にいろいろつけたりはしないのですが、皮膚科医の友人が作っているヌードゥブランのオールインワンセラムを愛用しています」。

クマの絵柄がプリントされているのは、ukaの香水「プチューム」だ。ローズとサンダルウッドを基調とした、スパイシーで華やかな香りが堪能できる。「他の香りも持っていますが、これは最近日本で買ったもので、香りも気に入っています」。

アニモー・バンダナプリントのアップルウォッチやオーディオ機器

エルメス アップルウォッチ ヘッドフォン

「最近発売したアップルウォッチは、以前エルメスとバンダナを作った時にデザインした柄をレザーストラップにそのまま落とし込んだもの。これを機にアップルウォッチデビューをしたいと思っています」。

創作の時には常に音楽をかけて手を動かしているという河原さんは、ヘッドホンやスピーカーも携帯している。「このカセットは、実はスピーカーなんです。Bluetoothで飛ばせて、コンパクトなので持ち運びにも最適。コンセプトを考える時や文章を書く時にはクラシック音楽をかけますが、絵を描いたり立体作品を作ったりする時には、いろんな音楽をかけています。日本の音楽も常にチェックしていて、藤井風やSIRUPなども聴いています」。

お気に入りの画材やイニシャル入りの小さな名刺入れ

クリストフル モレスキン ノート アンダーカバー ブリジット・タナカ ポーチ バレクストラ

13年程愛用しているノートは、シルバーウェアブランドのクリストフルとコラボレートした際にノベルティで作ったもの。「落書きをしたり文章を書いたり、ちょっとした構想ノートとして使っています」。

アンダーカバーとブリジット・タナカがコラボレートしたポーチは、鉛筆などを入れてペンケースに。コンパクトな筆と墨のセットは、水さえあれば書ける優れものだ。

ヴァレクストラの小さなレザーケースには、名刺を入れているそう。「もともとは名刺入れではないのですが、名前とメールアドレスを記載した名刺をここに入れています。持っているのを忘れてしまって、あまり渡したことはないです(笑)」。

毎日欠かせないこだわりのメガネ

メガネ セリーヌ カルティエ

「明るいのが苦手なので、アイウェアはカラーレンズに変更しています。上は70年代のカルティエのメガネで、叔父からもらいました。写真ではレンズが透明ですが、外に出ると色が変わる調光レンズになっています。下はセリーヌのもので、フォルムが気に入ってパリのメガネ屋で購入しました。12年以上愛用しています。ヴァレクストラのメガネケースは使いやすくてお気に入り。イニシャルを入れるのが好きで、靴下など何にでも入れています」。

上質で使い勝手のいいコーネリアンタウラスの財布

財布 コーネリアンタウラス

デザイナーの岩永大介が神戸で立ち上げたレザーバッグブランド・コーネリアンタウラスの財布を愛用中。「デザイナーの大ちゃんの弟、しんちゃんが昔パリにいて一緒に仕事をする機会があり、岩永兄弟と仲よくなりました。コーネリアンタウラスは、とにかくクオリティがいいから大好き。財布はできるだけ小さいものがいいので、これを手に取りました。レザーの美しい表情が楽しめますし、カード、お札、小銭も申し分なく入れられて機能的です」。

河原シンスケの世界観が堪能できる、エルメスのカレとバンダナ

カレ バンダナ エルメス

エルメスのトライアングル ジェアン、カレ、バンダナは、いずれも河原さんがデザインした絵柄が描かれている。「スカーフやバンダナはよく巻いています。最近は、頭にスカーフを巻いて、その上にキャップをかぶっている若い子たちのスタイルがかっこいいと思って、真似しています」。

何年経っても色あせない品格と小粋なデザイン

エルメス スマック バッグ

30年以上愛用している逸品は、しなやかな牛革のボディとオーストリッチのフラップを組み合わせたデザインが印象的な「スマック」。「普段はハンドバッグとして携えていますが、レザーのショルダーストラップもついているので、肩がけもできるんですよ」。

エルメス スマック バッグ

「このバッグの魅力はなんといっても、バッグの中に手を入れた時の心地よさ。とろけるような肌ざわりがたまりません! エルメスのバッグはデザイン性はもちろんのこと、手ざわりなど、見えないところまでこだわり抜いているのが素晴らしいんです」。