デビュー・コレクションから演出で見せた数々のショーまで

2026年春夏クチュール週間は、特別なシーズンとなった。ジョナサン・アンダーソンがディオールで、マチュー・ブレイジーがシャネルで、自身にとって初となるオートクチュール・コレクションを発表したのだ。

【2026SS オートクチュール】ディオール、シャネル、ヴァレンティノなど、注目の話題をプレイバック!

デビュー・コレクションから演出で見せた数々のショーまで

2026年春夏クチュール週間は、特別なシーズンとなった。ジョナサン・アンダーソンがディオールで、マチュー・ブレイジーがシャネルで、自身にとって初となるオートクチュール・コレクションを発表したのだ。

2026SS オートクチュール ディオールのファーストルック

ディオール。手前がファーストルック

まず初日はディオール。ジョナサンをインスパイアしたのは、ムッシュ ディオールによる数々のアイコニックなシルエットとアーティスト、マグダレン・オドゥンドによる陶磁器。そしてなんと言っても、ジョン・ガリアーノをディオール本社のスタジオに招いた際に彼から受け取ったという、シクラメンの花束だ。全63ルックのあらゆるところに、ジョナサンのクラフト讃歌が顕著に見られた。

2026SS オートクチュールのディオールのドレス

ディオールの花びらを想起させるドレス。シクラメンの花束はイヤリングに

2026SS オートクチュールのシャネルのスーツ

シャネルでは、手仕事による刺しゅうがアイコニックなスーツを埋め尽くした

翌日のシャネルでマチューが具現化したのは、俳句に着想を得た簡潔な美。冒頭ではシアーで繊細なルックの数々が、後半に向かうにつれてはまるで鳥の羽のように仕立てたフリンジや刺しゅうが、ミニマルなシルエットに深みを与えた。

2026SS オートクチュールのシャネルの会場

巨大なキノコのスカルプチャーが至るところに配された、シャネルのランウェイ

2026SS オートクチュールのヴァレンティノ

ヴァレンティノのルックと小窓からセットの中をのぞくゲスト

そしてヴァレンティノではアレッサンドロ・ミケーレが、ブランドの創業者ヴァレンティノ・ガラヴァーニへの追悼の想いと尊敬を表現し、会場は感動の渦に。カイザーパノラマ(19世紀末に立体写真を集合鑑賞するために発明された装置)も、ショーの熱気を盛り上げた。各装置の円形ステージには、20世紀のさまざまな年代のハリウッドスターを思わせるルックが次々と登場。

2026SS オートクチュールのヴァレンティノのセット

ヴァレンティノのセットの外観

2026SS オートクチュールのヴィクター&ロルフのドレス

段階的に装飾された、ヴィクター&ロルフのドレス。ファイナルではモデルが舞台上方に浮上して、幕が降りた

一方ヴィクター&ロルフは、ライブ投影を伴うイマーシブなスペクタクルを披露した。ステージ上で、黒のドレス姿のモデルたちが自らまとって運んできた装飾を、デザイナー二人が白のミニドレスに移し替える。同じ作業が15番目のモデルで終わると、そのミニドレスは装飾過多に。話題性、創造性、演出とすべてにおいて史上に残るレベルだった、今季のオートクチュール。来季はさらなる発展を遂げるだろう。

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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