【佐藤栞里】バーバリーのセットアップと日常の喧騒を抜け出して

vol12 バーバリーのセットアップ

襟を大きく仕立てたモダンなセットアップに、あえてノスタルジックな柄を掛け合わせた一着。絶妙なグリーンの色みにも、ダニエル・リーの高い審美眼が光る。

肉厚なベルベット生地ながら、丁寧な製法と計算されたパターンによりコンパクトなシルエットに仕上げた。

ダニエル・リーが2025-’26年冬コレクションで描いたのは＂カントリーサイドへの逃避行＂。イギリス郊外の邸宅で見られる色褪せたファブリックや使い込まれたインテリアにインスピレーションを受け、モスグリーンのセットアップをはじめとした多様なルックを提案した。

「ジャケットのセットアップも重厚感のある生地もインパクトがあって＂服の意志が強い＂と感じました。普段使いをするというよりも、自分を変身させたいときに手に取るような。非日常を楽しむための服ですね」。

上質なベルベット生地にフロック加工で草花柄を浮かび上がらせることで、アンティーク調の壁紙を再現。ラグジュアリーでありながら、どこか温かみとユーモアのある佇まいに仕上げた。インナーにライトグリーンのシフォンのブラウスを合わせれば、さらにドラマティックなムードが加速する。心躍る一着と日常の喧騒を抜け出し、耽美なファッションの世界に浸りたい。