装いが軽やかになると、おのずと出番が増えるのがデニムアイテム。デニムに一家言ある人気スタイリストの3人が、今季新調したデニムのボトムスとウィッシュリストを熱く語る。それぞれの個性が光るラインナップの中から、お気に入りの1本を見つけて!
独自の哲学によるシンプル&クリーンなデニムスタイル【木村舞子さん】
365日ほぼデニムパンツをはいているという、スタイリストの木村舞子さん。「丈夫で長持ちするところがデニムの最大の魅力。汚れても味わいになるし、リペアをすればずっとはき続けられるので、サステイナビリティに関心を持つ私のライフスタイルにもぴったりなんです」。生粋のデニムラバーなだけに、選び方にも強いこだわりがあるそう。「デニムのシルエットは、スラックスのようなきれいめが好み。なおかつ、腰回りにゆとりがあってルーズにはける、ビッグシルエットがベストです」(木村さん)
シックにまとまる東京のデニムブランド【トゥ エ モン トレゾア】
木村さんが今シーズン真っ先に購入したデニムパンツは、2020年にデニムブランドとして再始動したトゥ エ モン トレゾアの1本。「レングスやサイズ感がしっくりくるのは、日本ブランドだからこそ。ゆったりとしたワイドシルエットがトレンドなので、あえて普段よりサイズが大きいデニムパンツをセレクト。ヴィンテージのデニムパンツのような尾錠付きで、ウエストが絞れるところにも惹かれました。パンツと同じタイミングで買った比翼仕立てのデニムシャツは襟もとまでボタンをきっちり留めて。上下濃紺のセットアップ風に仕上げました」(木村さん)
白地に赤のパッチが目印! サステイナブルな【オネスト】が本格上陸
今季日本に本格上陸したオネストは、サステイナビリティへの感度が高い木村さんイチオシのブランド。リサイクルデニムを採用し、製造過程で使う水をデニムパンツ1本につき、平均1340リットル節約するなど、持続可能なデニム作りを行なっている。「このモデルはブランドを代表するローインパクトデニム。丸みを帯びたストレートシルエットが抜群に可愛いんです! これからの季節にぴったりの爽やかなブルーデニムは、白いブラウスと合わせてロマンティックに着こなしたい」(木村さん)
ノウン
03-5464-0338
はいて実感! 美しいシルエットが秀逸【ヌーディージーンズ】
オーガニックコットンのみを使用し、無償のリペアサービスを永久保証するなど、サステイナブルな服作りを行うスウェーデンブランド。「色落ちしたブラックがヴィンテージライクなモデルは、太すぎず細すぎずの絶妙なワイドストレートに惚れ惚れ。ヒップがもたつくことなく、きゅっとフィットするため、後ろ姿まで美しく見せられる完璧な1本。ジャストなレングスで、ローファーなどのフラットシューズと合わせてはきこなしたいです」(木村さん)
ヒーローインターナショナル
03-4595-0055
先物買いしたい! 老舗セレクトショップのオリジナルデニム【エディション】
エディションのオリジナルシリーズから、岡山県産の生地を使用した本格デニムラインがスタート。「このエッセンシャルデニム バナナパンツは、樽のようなバレル型のテーパードシルエットが、裾に向かってゆるやかに細くなっているところがポイント。ジャケットを羽織り、ローウエストではきたいですね。足もとはヒールやローファーなど、かっちりした靴と相性抜群だと思います」(木村さん)
エディション 表参道ヒルズ店
https://store.tomorrowland.co.jp/store/edition/
03-3403-8086
ワイドなラップパンツでトレンドを先取り【ラッド ミュージシャン】
ラッド ミュージシャンからセレクトしたのは、トレンドのラップパンツ。「ワイドパンツとスカートを掛け合わせたような個性派デニムは、袴のようにも見えるワイドなシルエットが今の気分にぴったり。デザイン性が高いデニムパンツなので、トップスはTシャツやノースリーブでシンプルに。このブランドはユニセックスなサイズ展開なので、女性なら小さめサイズがおすすめですよ」(木村さん)
ラッド ミュージシャン 原宿
https://www.ladmusician.com/
03-3470-6760
百々千晴に師事し、独立後はモード誌のほか、ブランドのルックブックのスタイリングも手がける。マイボトルを愛用し、プラントベースの食生活を実践。微生物の力で生ごみを減らすキエーロを用いるなど、サステイナブルなライフスタイルも注目の的。Instagram:@maiko.mu
個性を引き立てる、デザインフルなデニムが毎日の相棒【コギソマナさん】
デザイン性の高いデニムに目がないコギソさん。中でも今季は、ペイントを施したデニムやマイクロミニスカートなど、はくことでポジティブな気分になれるプレイフルなデニムを迎え入れたいという気持ちが強いそう。「スタイリストは動き回る仕事なので、日常の中で自然とうまれる、デニムのしわや汚れも私らしさ。はくたびに馴染む心地よさも大好きなんです。見た目も遊び心のあるデニムは、大切な相棒。私だけの1本に一緒に育っていこうね。そんな気持ちで日々デニムを愛用しています」(コギソさん)
カラフルな鳩が全面に描かれた主役級デニム【TANAKA】
TANAKAは日本製にこだわった良質なデニムに定評がある、NYベースのユニセックスブランド。「このデニム、実はステンシルワークで一羽ずつ鳩が描かれているので仕上がりが少しずつ違うんです。手作業による温もりと、鳩たちが飛んでいる様子に、明るい未来を感じました。一見スカートのようにも見えるラップパンツは、フロントのダブルジップを外すとパンツにもなり自由自在。羽ばたけ〜!の想いを込め、クロップド丈のトップスと合わせて軽やかなコーディネートにしてみました」(コギソさん)
大人の装いに遊び心を添えるトロンプルイユ【アクネ ストゥディオズ】
全面にラインストーンをあしらったアクネ ストゥディオズのデニムパンツは、一部をトロンプルイユで表現しているところがひとくせあり。「このデニムを見つけた時になんてごきげんなデニムなんだろう!と思いました。ピンクやイエローの色とりどりのラインストーンの中に、クリスタルのプリントが混じっているところに、心をぎゅっと鷲掴みにされました。トップスも同様に思いっきり“きらきら”のコーディネートを楽しみたいです」(コギソさん)
アクネ ストゥディオズ アオヤマ
https://www.acnestudios.com/
03-6418-9923
おしゃれ心に火をつけるマイクロミニスカート【プロトタイプス】
デッドストックの生地を使用したオリジナリティあふれるアイテムが豊富なプロトタイプス。「年齢にとらわれずにファッションを楽しみたいという気持ちから、ミニスカートも加えてみました。アシンメトリーなヘムラインは、ぎりぎりヒップが隠れる丈なので、1枚で潔くもはけるし、手持ちのデニムを重ねてもよし。おしゃれを楽しむ気持ちは永久不滅です!」(コギソさん)
THE FOUR-EYED
info@thefoureyed.shop
麻紐でぎゅっとマークしたい! メンズサイズのパッチワークデニム【マリーン・セル】
三日月柄がアイコニックなアップサイクルデニムは、パリ発のマリーン・セルから。「切り替えを多用したレイヤード風のデザインや、構築的なシルエットも私の好みにぴったりでした。ウエストに巻いたのは麻紐。サイズが大きいメンズサイズのデニムは、ウエストをぎゅっと絞って、はくのがおすすめ。かっちりしたレザーベルトよりも、自由で楽しい気分になれますよ!」(コギソさん)
エムエイティティ
info@the-matt.com
端正なランウェイピースに熱視線!【ケンゾー】
ケンゾーの2024年春夏コレクションのファーストルックを飾ったテイラードデニムパンツ。「センターシーム入りなので、スラックスのようなきちんと感を出せます。美しいシルエットに、陰影に富んだバラのプリントも遊び心満点。シンプルなTシャツを合わせるだけで、いつものデニムスタイルをモダンにアップデートしてくれる特別な1本です」(コギソさん)
ケンゾーパリ ジャパン
https://www.kenzo.com/
03-5410-7153
「今日も明日も服が好き」をモットーに、モード誌などで活躍中のスタイリスト。リアルブランドとハイブランドをミックスしたスタイリングを得意とし、自由で個性的なセルフスナップは、インスタグラムでも反響を呼んでいる。Instagram:@kogisonofuku
クリエイター魂を感じるデニムパンツでモードを謳歌【渡邊薫さん】
ロエベやブレスなど、自由で独創性のあるブランドのクリエーションをこよなく愛する渡邊さん。「最近は細身のデニムが再びトレンドに返り咲くといわれていますが、やっぱり自分の体にしっくりなじむワイドシルエットのデニムが好きですね。ジャケットにシャツを合わせたトラッドなコーディネートがユニフォームなので、ボトムスは抜け感を出せるウォッシュがかかったデニムを選ぶことが多いです」。(渡邊さん)
全方位に抜かりなしのハイウエストデニム【ロエベ】
「ジョナサン・アンダーソンが大好き」という、渡邊さんが購入したのはロエベのハイウエストデニム。「ランウェイを見て心を射抜かれたグレーのデニムパンツは、ほどよいワイド加減と、すとんと落ちる美しいストレートシルエットに感動。撮影現場では後ろ姿を見られることが多いので、デニムはヒップの見え方にもこだわります。これはエンボスロゴが入った黒のレザーパッチ付きで、後ろ姿までかっこいいんです。ボトムと同じトーンのジャケットとストライプ柄のシャツを合わせて、セットアップ風のスタイリングにしてみました」(渡邊さん)
きらめくジップでアクセサリーいらず【ブレス】
アーティスティックなクリエーションで、ファッションラバーから厚い支持を得ているブレス。「ブランドの定番であるヴィンテージのリメイクデニムは、斜めに取り付けた複数のジップがアイキャッチで、シルエットが簡単に変えられるところが魅力的。上質なジップを使っているのか、きらっとアクセサリーのように光るところも気に入っています。Tシャツを合わせるだけでもサマになるので、ワードローブに1本あると重宝するはず」(渡邊さん)
ディプトリクス
03-5464-8736
シルエットに差がつく上品バギー【ターン ストゥディオ】
ミニマルで洗練されたデザインのアイテムが揃う北欧ブランドから、きれいめにはけるバギーデニムをチョイス。「最近セレクトショップでよく見かけるターン ストゥディオは、Instagramのビジュアルが素敵なこともあって今注目しているブランドです。上質な素材、品のある加工、ポケットのステッチワークなど、こだわり抜いたディテールが秀逸。ハイウエストかつワイドシルエットなので、コンパクトなシャツにポインテッドトゥのヒールをのぞかせて着こなしたいです」(渡邊さん)
ユナイテッドアローズ 原宿本店
https://store.united-arrows.co.jp/
03-3479-8180
着こなしの幅がぐんと広がる1本【アワー レガシー】
スウェーデン発のアワーレガシー。さりげないペイントを施したハーフショーツは、短すぎないレングスで大人もはきやすい。「下にパンツをレイヤードしたり、ロングブーツやウエスタンブーツを合わせたりするのもいいですね。裾がラフな切りっぱなしなので、どこかにきれいめなアイテムを入れるのがベター。春はジャケットでかっちり、夏はポロシャツからネックレスをのぞかせたスタイリングに挑戦したいです」(渡邊さん)
エドストローム オフィス
https://www.ourlegacy.se
03-6427-5901
装いにストリートなムードをプラス【マリアーノ】
昨年「LVMHプライズ」の準グランプリを受賞し、注目が集まっているイタリアンブランドのマリアーノ。「ミラノコレクションでマリアーノのデニムに一目惚れし、すぐさま現地へ飛びたいという気持ちになりました。太すぎず細すぎずな美しいストレートシルエットに、まるで何年もはき込んだかのようなダメージ加工が味わい深い。古着風のデニムパンツなので、対極のシックなトップスと合わせて、意外性のあるコンビネーションを楽しみたいですね」(渡邊さん)
ディプトリクス
03-5464-8736
モード誌からブランドのルックブック、パーソナルスタイリングまで幅広く活動している人気スタイリスト。ヴィンテージ、メゾンブランド問わず年中デニムを愛用している。6月のメンズパリコレクションへの渡航を計画中。Instagram:@kaoruwtnb