【気温0〜10度】真冬の気温別コーディネートを天気とファッションのプロが解説。1〜2月をおしゃれに乗りきるコツを紹介

まだまだ寒い日が続く1〜2月には何をどう着るべき? 日本気象協会の気象予報士、安齊理沙さんに聞いた気温別の服装のポイントに基づいて、リアルなトレンドが見えるオフランウェイのスナップをセレクト。この時期、もっとも重要なアウター選びから小物使いのハウツーまで、スタイリストの山﨑静香さんがファッションの視点から詳しく解説する。

まだまだ寒い日が続く1〜2月には何をどう着るべき? 日本気象協会の気象予報士、安齊理沙さんに聞いた気温別の服装のポイントに基づいて、リアルなトレンドが見えるオフランウェイのスナップをセレクト。この時期、もっとも重要なアウター選びから小物使いのハウツーまで、スタイリストの山﨑静香さんがファッションの視点から詳しく解説する。

山﨑静香プロフィール画像
スタイリスト山﨑静香

2021年に独立し、現在は雑誌やweb媒体、広告のスタイリングを担当。2022年冬から「ヤエ」のディレクターとしても活躍している。「この冬は防寒対策を兼ねた顔まわりのおしゃれを楽しみたい! 特に、コートの中にパーカを仕込んでフードを深くかぶるスタイルを実践したいです」

安齊理沙プロフィール画像
気象予報士安齊理沙

日本気象協会が運営する天気予報専門メディアtenki.jpの運営メンバー。季節や気温別のコーディネートについて、気象予報士目線で紹介する記事や動画に出演している。https://tenki.jp/

【2025年・東京の月平均気温】から読み取る、1〜2月のコーディネートのポイント

2025年東京の月平均気温のグラフ

参考資料:気象庁「過去の気象データ検索」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/

おしゃれと快適さを両立するためには、毎日の天気予報や気温をチェックし、それを基準にしたスタイリングを考えることが肝心だ。まず押さえておきたいのが、天気予報でよく耳にする最高気温と最低気温の定義。日本気象協会に属する気象予報士の安齊理沙さんによると、気温は1分ごとに計測され、1日の中でもっとも気温が高い時間と低い時間の温度が観測値として公表されるそう。

「最高気温は昼の13〜14時くらいに出ることが多く、最低気温はぐんと冷える明け方の時間に出ることが多いです」。2025年1〜2月の東京の平均気温を示すグラフによると、この時期は最高気温がおよそ11〜12度、最低気温はぐっと下がり1〜2度前後を観測。日によっては朝晩の気温が氷点下近くまで下がることも。1年の中で寒さのピークを迎え、体調にも影響が出やすいため、気温に適した服装でしっかりと防寒対策をすることが重要だ。

気温と服装の目安をチェック!

気温別の最適な服装のグラフ

Photo:Getty Images

最高気温が10度程度で最低気温が2度前後と、日中も寒く、朝晩はかなり冷え込む真冬。ニットなどの保温性の高いトップスを着用し、その上からダウンジャケットや厚手のコートなどを羽織り、暖かさを重視した装いを心がけて。とはいえ人が密集する電車での移動時間や、暖房が強めに効いた場所では、暑さで不快感に悩まされることも……。そんなときのためにも着脱しやすいアイテムを選ぶのがベスト。

「12月と同様の寒さが続く1月は「厳冬期」と呼ばれるシーズン。文字通り厳しい寒さを乗り越えるために、本格的な冬仕様のアウターはもちろん、マフラーや手袋、ブーツなど、冷えやすい部分を暖める小物を身につけることを推奨しています」。そして例年の傾向から予測すると、1月後半から次第に寒さが和らぐ日が少しずつ訪れると安齊さんは語る。「2月以降は、たとえばダウンを着ていた人はウール素材のコートに戻したり、今日は必要ないと判断できれば冬小物を外したりと、その日の気温や自身の体感に応じて調節していくことが大切です」。

【気温0〜10度】に対応するコーディネートを厳選

1〜2月の東京の平均的な最高気温は約10度、最低気温は約0度。ここでは、気温ごとに最適なコーディネートをオフランウェイのスナップから厳選。スタイリスト・山﨑静香さんのコメントとともに紹介する。

【10度に最適なコーディネート】

マフラー代わりのニットは柔軟にアレンジ可能!

薄手のカーディガンを羽織ったモノトーンルック
Photo:Getty Images

単調になりがちなロングコートの着こなしにメリハリを生む、冬ならではの重ね技に注目。「ニットのプルオーバーを普通に着るのではなく、マフラーのように首に巻くという意外性に惹かれました。このレイヤードテクニックは、彼女が選んだボーダー柄のようにテキスタイルが印象的なアイテムほど有効です。外出先で体が冷えたらコートの中に着直すことができるのも便利!(スタイリスト山﨑静香さん、以下同様)」

ワークテイストを洗練させる柄シャツという選択

トラックジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

風を通しにくいワークジャケットは、寒い季節にも重宝する。「丸首ではなくシャツを合わせていたり、デニムにウエストインしていたり、タフなアイテムやハードな柄を組み合わせながらもエレガントにまとめるのが上手。レザーで切り替えた襟の色とリンクさせるように、ベルトもブラウンで合わせるなど、細部にまでこだわりが行き届いています」。

冬のはじまりは質感で魅せるモノトーンにトライ

コットン素材のジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

トップモデルのジジ・ハディッドは、ブラックレザーを多用したカジュアルなモノトーンルックを披露。「ボリュームのあるボンバージャケットはショート丈を選び、バランスよく見せて。艶のある黒に対し、中に着たTシャツとソックスをスムースな質感の白に統一することで、クリーンに仕上がっています。小物で加えたレディなムードのさじ加減も、さすがの一言」。

ベーシックスタイルに大人の遊び心を加えて

ピンクのコートを着用したスナップ

Photo:Getty Images

今はなきパリのセレクトショップ「コレット」の元クリエイティブ・ディレクターで、現在はファッションキュレーターとして活動するサラ・アンデルマン。誰もが認めるおしゃれ上級者の彼女は、家のイラストが編み込まれたメンズのセーターをセレクト。「冬の装いを盛り上げるユニークなニットは、今シーズン気になるアイテム。スカートやスニーカーもよく見ると凝ったデザインのものを合わせていて、コンフォータブルでありながら高感度な着こなしが目を引きます」。

【5度に最適なコーディネート】

互いを引き立て合うブライトカラーで華やかに

ローゲージニットを着用したスナップ
Photo:Getty Images

中に着た白いワンピースが鮮やかな色を引き立てる、冬のカラーコーディネートの手本のようなスタイル。「マフラーのように首に巻いたウールのプルオーバーと手に抱えたバッグをパキッとしたライムイエローで揃え、統一感をアップ。ロングコートでダイナミックに取り入れたピンクなど、全身を明るめのトーンでまとめることで軽やかな印象に導いています」。

アウターの2枚重ねは、異素材でメリハリをつけて

カーキのトレンチコートを着用したスナップ

Photo:Getty Imagesa

レザージャケットにオーバーサイズのウールコートを重ねて。「異素材のアウターをレイヤードすれば防寒対策にもなるし、落ち着いた配色のスタイリングに奥行きを生む効果も。さらに内側に着たジャケットの片襟のみを表に出すと、こなれた印象に。中にデニムのセットアップを仕込んでカジュアルダウンさせているところにも大人の余裕を感じます」。

大胆なシルエットを柔らかな色合いで中和

赤いジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

気温5度の外出には、中に厚手のニットを着込めるオーバーサイズのコートが大活躍。「肩を誇張したパワーショルダーのデザインは、ともすれば重たい印象になりがち。写真のような淡いカラーを選べば適度な抜け感が備わります。もしコートと同系色の冬小物を持っているならば、ここぞとばかりに組み合わせるのが正解! 着こなしを簡単にクラスアップできますよ」。

見た目も暖かいブラウンとサーモンピンクの相乗効果

レザーブルゾンを着用したスナップ
Photo:Getty Images

ウールコートや上半身に巻きつけたフリンジつきのショール、頭に巻いたストールに至るまでブラウンでまとめて、印象的な顔まわりに。「ブラウンやブラックなどのシックな色を基調に、チラ見えするニットやバッグのサーモンピンクで優しげなニュアンスをプラス。温かみのあるカラーや素材をミックスしてチャーミングに着こなしています」。

【0度に最適なコーディネート】

保温力も気持ちも高まるオレンジのダウンジャケット

ブルーのウールコートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

本格的な真冬の寒さを実感する気温0度は、1枚で暖かいダウンジャケットや本気の防寒具が必要に。「体が冷えると同時に気分が落ち込むことも。そんなときにはまとうだけでエナジャイズしてくれるヴィヴィッドカラーを取り入れるのがおすすめ。オレンジのアウターにグリーンのバッグを合わせた彼女のように、街で映えるコントラスト高めな色合わせにも挑戦したいです」。

全身黒スタイルに映えるヴィヴィッドな小物使い

イエローのコートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

オールブラックスタイルに、パッと目を引くブルーを投入。今季も引き続きトレンドのバラクラバを連想させる、旬度の高いスカーフ使いが光る。「ベーシックカラーが増える冬の装いは、防寒もかなうカラフルな小物を足すだけで一気に華やかな雰囲気に。顔まわりに視線が集まり、自然とスタイルアップ効果も狙えます。自分に似合う色でチャレンジしてみたいですね」。

ダウンジャケットを新鮮に見せるレイヤード術

バラクラバを着用したスナップ

Photo:Getty Images

アウトドアをはじめとするさまざまなブランドから、鮮やかな色が展開されているダウンジャケットは、自身の個性を引き立ててくれるアイテム。せっかくならば、好きな色を大胆に取り入れて。「明るいイエローを選んだ彼女は、ボトムスのセレクトも秀逸。裾からのぞくグレーのオーバーサイズジャケットが、対照的なブラックパンツとの色差を程よく中和させる役割を果たしています」。

重厚感のある装いにレースのスカーフで軽さをプラス

ダウンを着用したスナップ

Photo:Getty Images

スカーフで春服を盛り上げる最旬コーディネート15選」などで紹介した、キャップにスカーフを重ねるテクニックは、真冬でも応用が可能。ヴィンテージライクなフーディとキャップの間に繊細なレースのスカーフを挟み、グランジテイストにひとさじの甘さを加えた。「手持ちのアイテムで今すぐにでも真似できそう。野暮ったく見えないように考え抜かれた彼女のアイデアに脱帽です」。

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