[vol.48]速報! 初“デジタル”ロンドン・ファッション・ウィーク


新型コロナウイルスの影響で、2020年秋冬パリコレクションを最後に、ファッションウィークサーキットが止まった。その動きは'21年春夏メンズ会期を迎えた今も続いている。メンズとウィメンズの統合とともに緊急対策として、デジタルでの発表に踏み切った
ロンドン・ファッション・ウィーク。9月のウィメンズ時期に先駆け、当初予定していたメンズコレの日程を使い、初となるデジタルスケジュールを敢行した。本日は初体験の”お家コレ”についてお伝えします!(今回、赤文字のリンクから飛ぶとそれぞれのデジタルコレクションをご覧いただけます!)

チェックポイント①「サステイナブル」

2015年に「LVMHプライズ」のグラプリに輝いた「Marques Almeida」と言えば、ローエッジのデニムを広めたLUXEグランジの伝道師。ポルトガル出身の夫婦デュオは2人の娘の未来を思い、ストックしている素材だけを使ったサステイナブルライン「reM’Ade」をローンチした。また生産の無駄をなくすために完全受注生産、6月30日まで受け付けているのでこちらのウェブサイトをチェックあれ!

若手の間では当たり前になっているサステイナブルだが、コロナショックでついに業界全体が真剣に考えるようになった

チェックポイント②「ロックダウン」

正直なところ'21年春夏シーズンやプレコレクションを発表した(できた)デザイナーは少なかった。ロックダウンでスタジオにすら行けなかった彼らは、'20年秋冬やアーカイブ、またはこれまでになかった方法での作品発表を模索。「Ka Wa Key」のデザイナーは何役もこなす一人芝居、「LYPH」はデザイナー自らモデルの一人キャットウォーク、一方で帽子作りの天才「Stephen Jones」は、バーチャルインフルエンサー「noonoouri」と組んでコレクションをデジタル化。

今年のLVMHプライズのファイナリストAhluwaliaはVRを使った3Dデジタルエキシビジョンを披露!

チェックポイント③「アジア」

ロンドンメンズコレのレギュラーになっている中華系デザイナーが参加。セントラルセントマーティンズ(CSM)卒の「8on8」はスタジオにあった素材やチャリティショップで見つけたアイテムを使った一点物のサステイナブル帽子コレクションを、360度カメラを使ったユニークな動画で見せた。東京からは「GR8」が参戦。以前より英国ブランドをサポートしているセレクトショップは、日本画家の東園基昭氏とミュージシャントージさんのインタビューなど3本の短編映像を公開。

チェックポイント④「ライブ」

日程にはいくつものパネルディスカッションやトークが組み込まれていた。事前録画のものもあったが、インスタやYouTubeを使ったライブも(どのトークも重要トピックはコロナ禍 生活、サステイナブル、そしてBLMだった)。「Charles Jeffrey Loverboy」は有色人種のLGBTコミュニティをサポートするチャリティの資金調達を目的としてパフォーマンスを生中継。若手のダンサーや歌手、詩人が登場。Rachel Chinouririの歌声は一見の価値あり!


チェックポイント⑤「卒コレ」

ロンドンの5月末から6月初頭にかけてはファッションの高等教育機関の卒業コレクションシーズンでもある。スケジュールではウエストミンスター大学のMAメンズウェアが映像で発表したほか、ウェブサイトにも学生に特化したスペース”Class of 2020”が登場!

CSMのMAファッションデザインの学生はロックダウン中に動画を制作。

チェックポイント⑥「一般参加型」

デジタルLFWは一般の人が誰でも観覧できただけでなく、デザイナーのプロファイルからはe-commerceにも飛べショッピングも可能だった。また、#LFWCatwalkChallengeをつけてお家キャットウォーク動画を投稿すると、投稿者1人につきパートナーであったジョンルイス百貨店が£5を、新型コロナクライシスで苦しむデザイナーの救済を目的とした基金に寄付する参加型の企画も。ファッション関係者には、プレス向けの資料や、バイヤーがオンラインでオーダーできるショールームのリンクも作成された。
9月まではすべてのコンテンツにアクセス可能なので、https://londonfashionweek.co.uk から是非チェックを!

マスイびっくり㊙︎報告

オンライン・パーティも開催!

毎日のスケジュールの最後はパーティモード! 1、2日目はDJによるライブでお家パーティ。最終日は「Mulberry」がロックダウン中に配信していた、アーティストによるお家パフォーマンス”My Local”(昨年夏にパブイベントとしてスタート、東京にも上陸)の延長で、Lapsleyの歌声を披露した。
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マスイユウ

ロンドンを拠点にグローバルに活躍中のジャーナリスト。お肉と餃子をこよなく愛するスタイルアイコン。自称・浜松餃子親善大使。

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