風の時代、“自由なつながり”がパートナーシップにもたらす影響とは?
水晶 新型コロナウイルスが流行し生活様式が変化したことで、恋愛観も変わってきていますね。石井 海外では、ロックダウン時に人と会うことが禁止された国もありました。会うのが許可されるのは家族だけ、ということになって、それをきっかけに結婚するカップルが増えたそうです。恋人だと会えないけど、家族なら会えるもんね、ということで。この話を聞いて、とても象徴的だなと思いました。今、まさにパートナーシップについての考え方は変わりつつあるし、風の時代になるとその傾向はさらに加速しそうです。
水晶 ただ「好きだから」という感情での結びつきではなく、論理的な理由があって結びついていくのも風の時代的な恋愛観。
石井 今は選択的夫婦別姓や同性婚の法整備などの議論がとても盛んになっていますが、その中でとてもいいなと思った話があったんです。それは「同性愛の恋愛関係でなくとも、同性で結婚できるようにするべきだ」という意見です。今も養子縁組をすれば「家族」にはなれますが、そうではなく、たとえば、とても仲のいい女性の友達同士でも「家族」になれたらいいよね、ということです。恋愛=結婚、パートナーシップ=結婚という単一的な枠組みではなく、それぞれの目的や事情に合わせて、もっと自由につながりを作れたらいいわけです。
水晶 水瓶座が意味するのは、常識にとらわれない自由なつながり。家族の形も、血縁に縛られないものになっていくのかもしれません。今は、結婚をするための恋愛、結婚に続く恋愛以外は許されない傾向が強いけど、家庭の在り方がもっと多様化すれば、恋愛の形もより自由になりそうですね。
石井 たとえば「あなたのものになる」「あの人をものにしたい」などの言い方があるように、恋愛や結婚は人が人を所有する感じがあります。でも、これからは「人間関係を所有する」というイメージ自体が、だんだん消えていくのかもしれません。
水晶 この数年過熱している“不倫バッシング”は、地の星座が終わる反動かもしれませんね。
石井 他人と自分を比較する感覚は、これまでは当たり前のように多くの人が持っていました。「周りの人はこうしているのに、自分だけ違うのはよくないんじゃないか」「やっぱり私も子どもを産んだほうが幸せなのかな」とか。そういう葛藤も、これから消えていくのではないかと。他人にあって自分にないものがあっても、「それは人それぞれだから」で終わるような世の中、文化になっていくといいなと思います。あとは「女流棋士」「女医」「女流作家」とか「女性ならではの感性」みたいな言い方も、古くなっていくのだろうなと思います。
水晶 「女性初の」とかもそうですね。
石井 一般的に、ある概念があって、それに名前がついて言葉ができる、と考えられていますが、実は逆で、言葉という器がなくなれば、概念自体も消えてしまうことがよくあります。「言葉」も風の管轄ですし、特にこれからの時代は、言葉の変化を通して、世の中の変化が起こっていくのかなと思います。
水晶 人が言わなくなれば、その考え方がなくなるってことですね。風の時代には、言葉の力を改めて感じるようになりそうですね。日記や記録を付けるといいのも、感情はふわっとしていてつかみどころがないけど、それを文字にすると起きていることが具体化できて、キャッチしやすくなるから。自分の中で、吸収した情報を整理できるようになると思うのです。