2022.02.06

【人生100年時代のジュエリー 最終回】TASAKI(タサキ)

モダンなパールジュエリー人気の火付け役、TASAKI。ふたりのデザイナーの最新クリエーションから、革新的なビジョンと匠のアルチザンシップに触れる。

20代で買うなら

海に浮かぶ球体のブイに着想を得たコレクション。プラバル・グルンらしい、ドラマティックな造形美が記憶に残るステートメントピース。TASAKIの独自配合によって生まれたSAKURAゴールドのやわらかな輝きが、顔まわりを華やかに彩る。

「ブイ」イヤリング〈SAKURAゴールド、あこや真珠〉¥495,000/TASAKI

50代で買うなら

「バランス」シリーズを代表する、3粒のパールが連なるリング。色の異なる真珠を半分にスライスし、ダイヤモンドのバーと融合。数多くのジュエリーフリークを唸らせた、唯一無二のデザイン。

「バランス ユナイト」リング〈WG、南洋真珠(白蝶)、南洋真珠(黒蝶)、ダイヤモンド〉¥1,705,000/TASAKI

パールの価値観を一変させた、差がつく前衛的なデザイン

岡部(以下O) ファッションに比べ、ジュエリーの世界はトレンドの流れが穏やかな印象がありますが、この10年で一番目立ったのが、パールジュエリーの再興。中でもTASAKIが打ち出した、モダンなパールのデザインは革命的でした。

本間(以下H) まさにそのとおり。NYのデザイナー、タクーン・パニクガルをクリエイティブディレクターに迎えたのが2009年。デビューコレクションの「バランス」は、古典的なパールのイメージを塗り替えた、近年のジュエリー史におけるエポックメイキングな作品といえるでしょう。

 当時のことを鮮明に覚えています。パールがこんなにコンテンポラリーに生まれ変わるなんて!とワクワクしました。

 注目すべきはデザインだけではありません。サイズ、色、照りが均一なものを選定し、横に並んだときに最も美しく見える角度でセットされている。こうしたディテールからも、最高品質のパールジュエリーで知られるTASAKIの矜恃が垣間見えます。

 今回、本間さんは黒と白のコントラストが個性的なリングを選ばれました。

 異なる色の南洋真珠をミックスしたデザインが斬新。ふたつの珠を組み合わせて、完璧な真球を表現するのは至難の業です。

 さらにダイヤモンドのラインが、洗練された佇まいを際立たせていますね。

 アヴァンギャルドながら格式も感じる。いいものを知り尽くした大人にこそふさわしいクリエーションといえるでしょう。

 「TASAKI COLLECTION LINE」と同じく見逃せないのが、プラバル・グルンによる「TASAKI Atelier」。

 毎年発表されるハイジュエリーは、海外でも高い評価を集めています。昨年のSPUR9月号の表紙で平野紫耀さんがつけていた大きなイヤリングも見事でした。

 ハイジュエリーもさることながら、デイリーに使えるデザインも豊作。個人的にはピアスやイヤーカフに注目しています。

 有機的なシルエットは、さながらアートオブジェのよう。艶やかなミラーポリッシュの地金と、まろやかなあこや真珠の輝きの対比が美しいアイテムです。

 オーソドックスなパールネックレスはもちろん素敵ですが、モードラバーなら人とかぶらないデザインで差をつけたい。マスク生活を終えたら、TASAKIのジュエリーでドレスアップを楽しみたいですね。

Profile

本間恵子

時計・ジュエリー専門ジャーナリスト。ジュエリーデザイナーという経歴に基づく鋭い目利きと圧倒的な知識を武器に、幅広いメディアで活躍するエキスパート。

岡部駿佑

美しいものをこよなく愛するエディター。専門分野はランウェイとジュエリー&ウォッチ。SPUR.JPでのYouTube連載も好評。デジタルとプリントを横断し活動中。

※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)

SOURCE:SPUR 2022年3月号「人生100年時代のジュエリー」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Lisa Sato 〈BE NATURAL〉 text: Shunsuke Okabe

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