第6回のジュエリー連載はフレッドにフォーカス。スタイリスト・清水奈緒美さんが惹かれたのは、ブルーのグラデーションが豊かな色石の存在感。海のように奥深いカラーストーンの魅力に引き込まれる
サファイアの中でも最も高貴なロイヤルブルーの石をセット。エレガントなペアシェイプはデニムに合わせても素敵。
清水さんが挙げたテーマは"青い色石とデニム" の関係性。これからの季節にぴったりのさわやかな提案だ。
「フレッドは創業者のフレッド・サミュエル氏が子ども時代を過ごしたアルゼンチンの光や情熱を注いだ南仏の海の思い出を大切にしているメゾンです。それらのエピソードを知るうちに、ブルーのイメージを強く抱くようになりました。色石のアイテムを幅広く展開していますが、石の魅力を存分に感じるなら"パン ドゥ スークル"のコレクションをぜひ手に取ってみてほしいです」
円すい形の白砂糖の山という意味をもつコレクションは、大ぶりなカボショントップが目印。石本来の美しさを堪能でき、インターチェンジブルで色石をつけ替えられる遊び心も兼ね備えている。
「南仏の海の色はとても強いですが、今回選んだ透明感のあるスイスブルートパーズはグラマラスでリッチな70年代の南仏のバケーションを想起させます。ラピスラズリは夜の海の静けさを感じさせます。ほかにも上の写真の高貴なサファイアや南国の海を思わせるターコイズ、水面そのもののようなクリソコラ……。海の青は場所によって感じ方はさまざまで、フレッドでは奥行きのあるグラデーションから選べるので目移りしてしまう。石をフラットにカットしたデザインもあり、そちらはシグネットリングの感覚で楽しめます」
石とリングを個別に購入して、自由に組み合わせられる「パン ドゥ スークル」。リング内側の中央の留め具をはずせば簡単に着脱できる。フラットな石を選べばシグネットリングのようにも身につけられる。
青というと気品のある印象をもつが、清水さんが提案したいのはあえて飾らないデニムに合わせてみるということ。
「夏の楽しさに想いを馳せつつも、冬の静かな海を歩いているようなイメージでデニムを選びました。南仏には夏休みの印象がありますが、冬も素敵です。浜辺をリタイアしたご夫婦が犬と散歩していたり、穏やかな海を眺めて過ごしている人もいたり。そんな場所を訪れる自立したパリジェンヌのバカンスを思い描きました」
フレンチシックなモードを好む女性たちのワードローブであるデニム。モダンなデザインのジュエリーともフィットするアイデアだ。
スタイリスト。ファッション誌の編集者を経て、2010年よりスタイリストとして独立。ものを選ぶ審美眼にファンも多数。モード誌を中心に、広告や俳優のスタイリングも手がける。