2017.07.10

パールはあなたの日常に ―真珠こそ、ナショナルトレジャー―

真珠は日本で最も歴史があり、長く愛されてきた宝石。日本は古代から上質な天然真珠を産出し、20世紀には、人の手では不可能といわれた養殖真珠を発明・完成して、世界をリードしてきた。海に育まれ、自ら輝きを放つ真珠は、自然からの最高の贈り物。日本のアコヤ真珠は、そのシンボルだ。最高の品質と新感覚のデザインを備えた、世界に誇るパールジュエリーはあなたのそばにある※この特集中、以下の表記は略号になります。YG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、Pt(プラチナ)

 

パールのたおやかな空気感とモダンさを融合したデザインが新しい

従来の真珠のイメージを刷新するエッジィなデザインの、ペンダントとネックレスを重ねて。まるでシャツを着崩すように、さりげなくまとえる新世代のパールは、TASAKIならでは。
"バランス ダイヤモンド パヴェ"ぺンダント〈K18WG、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥950,000・"アブストラクト スター"ネックレス〈K18WG、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥1,960,000/TASAKI シャツ¥28,000/リンク・セオリー・ジャパン(セオリー) タンクトップ¥6,500/BOWLES(HYKE)

 

美の最高基準をクリアした粒揃いのアコヤ真珠を連ねて

アコヤ真珠の美しさを極めたネックレスは、厳密な「ミキモトクオリティ」によって選ばれた、気品ある光沢と格別な輝きの真珠のみで構成され、隣り合う真珠の色の調和まで精査されている。直径7㎜から7.5㎜未満サイズの、真円の真珠を選りすぐって。
ネックレス"The Best of The Best"〈Pt、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥1,200,000/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター(ミキモト)

海から生まれた優美な輝きは永遠に――

海から生まれた優美な輝きは永遠に――

透明感のあるデザインを、デイリーに着けたい。
ネックレス〈K18WG、アコヤ真珠〉¥150,000・ロングネックレス〈K18YG、アコヤ真珠、アメシスト、ローズクォーツ、シトリン〉¥430,000

[左]「ミキモトクオリティ」を証明するチャーム。 [右]ダイヤモンドで華やかさを添えて。
ブレスレット〈K18YG、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥1,073,000/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター(ミキモト) ドレス¥58,000/コロネット(エアロン)

 

「真珠で世界中の女性を飾りたい」という情熱が世界を変えた

 人の手を加えることなく、貝を開けた瞬間から、清らかな光を放つ真珠。古代の人々は、それを最高の宝石として崇め、手に入れるために命をかけて海に潜った。東洋でしか産出されない真珠の稀少性は、大航海時代の一因となったほど。一方古代から天然真珠を産出した日本では、最古の輸出品のひとつだった。さらに20世紀に入ると、日本で誕生した養殖真珠が世界を席巻することになる。
 冒頭のことばを語ったのは、史上初の養殖真珠の生みの親、御木本幸吉。1893年7月、彼は赤潮によってほとんどのアコヤ貝を失い、鳥羽の海にわずかに残った竹籠を引き上げていた。ひとつずつ貝を開けるうちに、妻が手にした貝殻に、真夏の光を受けてキラリと光るものが! それは半円形の真珠だった。当時は不可能といわれた、養殖真珠が誕生した瞬間だ。その後幸吉は、’99年に東京・銀座に御木本真珠店を開店。海外にも進出し、メイドインジャパンの真珠を世界中に広めた。折しも19世紀末の西欧では、天然真珠の価格はダイヤモンドよりも高騰。そこに日本の養殖真珠が登場したことで、多くの女性が20年代のトレンドの膝丈ドレスにあわせて、真珠のロングネックレスを楽しめるようになる。
 その一方で、天然真珠の価値をおびやかすとして、養殖真珠の排斥運動が勃発。真贋を問う「ミキモトパール論争」にまで発展した。しかし、天然真珠とミキモトパールの違いがないことが学術的に証明されると、逆に養殖真珠の品質への信頼が高まった。第二次大戦後、クリスチャン・ディオールが発表したニュールックをきっかけに、世界的な真珠ブームが巻き起こる。再びパリやニューヨークなどに出店し、確かな品質の真珠の代名詞となったミキモトの銀座本店には、今や世界中から人々が訪れる。そして今年、その銀座本店が生まれ変わり、ミキモトの新たな時代が幕を開ける。

 

日常に活躍するジュエリーにこそクリエイティブなデザインを

日常に活躍するジュエリーにこそクリエイティブなデザインを

アコヤ真珠に、モダンな感性とともに添えられたダイヤモンドがジャストフィット。
"リファインド リベリオン インデント"リング〈K18WG、アコヤ真珠〉¥210,000・"コメット プラス ダイヤモンド"バングル〈K18WG、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥320,000/TASAKI ドレス¥35,000/BOWLES(HYKE)

[左]耳の裏には、パヴェダイヤモンドを配したトゲを思わせる形のキャッチが。
"ソーンズダイヤモンド パヴェ"イヤリング〈K18WG、アコヤ真珠、ダイヤモンド〉¥350,000
[右]TASAKIクリエイティブ・ディレクター、タクーン・パニクガルの代表作"バランス"。
(右)"バランス リュクス"ダブル フィンガーリング〈K18YG、アコヤ真珠〉¥430,000・(左)"バランス エラ"リング〈K18WG、アコヤ真珠〉¥195,000

「真珠には、もっと大きな可能性が秘められている」という信念
まるでトゲのような形のキャッチを持つピアス、牙をむくようなリング――最近しばしば見かける、エッジィなデザインのパールジュエリーを仕掛けたのは、TASAKI。2009年に旧田崎真珠を引きついだ現TASAKI代表執行役社長の田島寿一は、従来の真珠のイメージを打ち破り、新しい可能性を引き出すことを考えたという。 「私が入社した時点で、TASAKIにはすでに最高の素材=クオリティと、職人の技=クラフツマンシップが揃っていました。あとは優れたデザイン=クリエイティビティがあれば――それでこれからのTASAKIを牽引するにふさわしい、モダンで洗練された才能を持ったクリエイターとのコラボレーションをスタートしたのです」  
 彼はクリエイティブ・ディレクターとして、ニューヨークで活躍する若手デザイナー、タクーン・パニクガルを招聘。この挑戦は、真珠のジュエリーの新しいかたちを世界に発信し、TASAKIはグローバルなハイジュエラーへの歩みを着実に進めた。
「ジュエリーはショーケースにディスプレイされているときではなく、身に着けたときにこそ、最も輝くべきだと思います」。これが、彼のジュエリー哲学だ。さらに、真珠に寄せる深い想いがある。
「真珠は有機物から生まれる、数少ない宝石のひとつ。そのやさしくやわらかな輝きが、装うことで美しさが際立つデザインと融合すれば、女性の日常に寄り添う存在となるのです」  TASAKIは、長崎の九十九島にアコヤ真珠の、そしてミャンマー・ドーメルに南洋真珠の養殖場を持ち、素材の生産から製品化・販売までを一貫して行う、世界でも稀な存在だ。この創業以来の物創りにのっとり、昨年伊勢志摩の海に新たなアコヤ真珠の養殖場を開設した。そこから生まれる真珠が、世界の女性にパールの美しさを伝えてゆく。日本から始まる真珠の物語に、終わりはない。

 

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SOURCE:SPUR 2017年8月号「パールはあなたの日常に」
photography:Masanori Akao〈whiteSTOUT〉 styling:Tomoko Iijima hair & make-up:Shinya Kawamura〈mod’s hair〉 model:Ayumi Turnbull edit:Hiroko Naruse

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着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!

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