マドモアゼル シャネルが愛したモチーフが、タイムレスな輝きを放つジュエリーに。そこに込められた自由な発想と独創的なセンスが、どんな時も女性のハートを挑発する。
ジュエリーに花開く、永遠のアイコニックモチーフ
1932年、マドモアゼル シャネルはパリで、最初のファイン ジュエリー コレクション"Bijoux de Diamants"を発表した。「女性を輝く星座で包んでしまいたいの。あらゆる大きさの星をちりばめて」と語ったように、彼女はパリの夜空を流れる彗星(コメット)の輝きを、モダンで躍動感あふれるダイヤモンドジュエリーに表現。当時のジュエリーの常識を超えたこの自由な発想こそマドモアゼル シャネルの真骨頂だ。騎手の装いに想を得て誕生したキルティングモチーフは、美と機能性を備えたバッグを生み、メゾンの象徴に。洗練された佇まいの"ココ クラッシュ"は、これを再解釈したものだ。時が流れ21世紀の現代となっても、ユニークなモチーフの魅力は色褪せない。数々の傑作とそこから生まれたクリエーションすべてにマドモアゼル シャネルのスタイルが貫かれ、どの時代にも「女性を美しく輝かせるものは何か」との問いにこたえてくれるのだ。
シンプルにキルティング模様が刻まれた、ボリューム感のあるゴールドリングは、メゾンのアイコンにインスパイアされて登場。太めのリングを1本だけでも、あるいは異なるサイズやゴールドの色みを自由に組み合わせてもスタイリッシュだ。
"ココ クラッシュ"リング[右]〈K18YG〉¥352,000・[中]〈K18WG、ダイヤモンド〉¥1,216,000・[左・上から]〈K18YG〉¥256,750・〈K18WG、ダイヤモンド〉¥2,086,000・〈K18BG〉¥358,000・〈K18WG、ダイヤモンド〉¥829,000/シャネル
漆黒の空にマドモアゼル シャネルが見いだした、パワフルでミステリアスな彗星。その輝きから彼女が感じとった解放感と躍動感が、現代のジュエリーにも凝縮されている。ネックレスのトップに配された彗星モチーフは、あでやかにパヴェダイヤモンドで彩られて。3本の指を横切るようなリングは、彗星の交差する軌道をダイナミックに表現。ジュエリーの既成概念を変えるデザインだからこそ、自分らしいつけ方が楽しめる。
"コメット コレクション"ネックレス〈K18WG、ダイヤモンド〉¥882,000・リング〈K18WG/YG、ダイヤモンド〉¥1,037,000/シャネル
※この特集中、以下の表記は略号になります。YG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、BG(ベージュゴールド)
SOURCE:SPUR 2019年9月号「眼福ジュエリー図鑑」
photography: Masanori Akao〈whiteSTOUT〉 styling: Yumi Takashiba edit: Michino Ogura text: Hiroko Naruse