女性のファッションを通して、生き方にまで変革をもたらした、マドモアゼル シャネル。彼女の精神を受け継ぐジュエリー、とりわけカメリア モチーフから目が離せない。
【自】由を愛したマドモアゼルのように
ツイード、キルティング、ジャージー。マドモアゼル シャネルは、しきたりにとらわれず、男性用の機能的でモダンな要素を、女性のファッションに取り入れた。カメリアの花もそのひとつ。紳士たちがボタンホールにあしらっていたその花を、彼女は自身の髪やブラウス、ベルトに飾って愛用した。やがてシャネルの代名詞となり、ジュエリーにおいても抜群の人気を誇るカメリア モチーフは、自由な発想で進化を続ける。1932年マドモアゼル シャネルの初めてのハイジュエリーコレクションで発表されたのは、さまざまなまとい方が可能で、女性を束縛しないデザインだった。その柔軟な精神を体現するカメリアの花は、軽やかに私たちに寄り添い、体と心をのびやかな気分で満たす。
レースのように優美なブレスレットは、ハイジュエリーならではの繊細なテクニックの結晶。センターストーンを囲む幾重もの花びらを彩るパヴェ セッティングと、きわめて軽やかな仕立てによって、女性の肌のセンシュアリティが香り立つ。無数のダイヤモンドを用いながら、爪の存在をまったく感じさせない高度な技に注目してほしい。
1.5 1 カメリア モチーフ .5 アリュール ブレスレット〈K18WG、ダイヤモンド総計4.5ct〉¥8,380,000(参考価格)
ひとつの形にとどまらず、その日の気分に合わせて4通りに姿を変える、全長93㎝のチェーンネックレス。ふたつの開閉式クラスプにより、ロングネックレス、2連ネックレス、ブレスレット、さらにチェーン ベルトにも。
カメリア コレクション ロングネックレス〈K18PG、ダイヤモンド総計1.02ct〉¥1,940,000/シャネル
※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)、PG(ピンクゴールド)
SOURCE:SPUR 2020年6月号「眼福ジュエリー図鑑」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Yumi Takashiba edit: Michino Ogura text: Hiroko Naruse