2020.09.04

眼福ジュエリー図鑑 vol.19 Tiffany&Co.

シンプルだが力強い。グラフィカルかつ官能的。さまざまな表情が共存するデザインは、いつ見ても新鮮だ。モダンさとエレガンスを融合し、かつ肩肘を張らないふたつのコレクションが、ブランドの「今」を語る。

【ア】ーティスティックなデザインを日常に

ティファニーのジュエリーには、アメリカの歴史や文化に根ざした美意識が流れている。とりわけ発祥の地ニューヨークのダイナミズムが、ブランドが生み出す作品に深く関わってきた。ニューヨークコレクションが、リアルクローズの発信源として脚光を浴びた70年代。ホルストンらのスターデザイナーとともに活躍していたエルサ・ペレッティが、ティファニーとのコラボレーションを開始した。彼女のジュエリーは、タイムレスなデザインゆえに今も色褪せない。なかでも“ボーン カフ”は不動の人気を誇り、進化を続けている。そのエッセンスを受け継ぎ、ニューヨークの街にみなぎる活力をデザインに凝縮したのが“ティファニー T”。ブランドを象徴する頭文字を冠したジュエリーは、美しさと機能性、さらにアート感覚を併せ持つ。どのピースも、特別感がありながらカジュアルにつけられるのがいい。日常に寄り添う現代感覚のラグジュアリーこそ、このブランドの真骨頂だ。

人間工学に基づいて手首にフィットするフォルムの美しさが、半世紀前の誕生以来、私たちを魅了し続けてきた。その最新型は、伝説のピースのカラーと素材をアップデート。ニュアンスある佇まいが魅力だ。

(上から)エルサ ペレッティ ボーン カフ(右手用)〈ミディアム(幅61㎜)、銅にブラック フィニッシュ〉¥63,000・〈ミディアム(幅61㎜)、SV〉¥145,000・〈スモール(幅43㎜)、銅にルテニウムを施したチャコールカラーフィニッシュ〉¥54,000/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク(ティファニー)

アイコニックな「T」が主役のコレクションに、“ティファニー T ワン”が加わった面取りが施されたエッジと、緻密にセッティングされたダイヤモンドが、スタイリッシュさを際立たせるリングに注目。ふたつのTが向き合うピースとの組み合わせも楽しめる。

(上から)ティファニー T ワン ワイド リング〈K18RG〉¥235,000(参考価格)・ティファニー T ワン ナロー ダイヤモンド リング 〈K18RG、ダイヤモンド〉¥184,000(参考価格)・ティファニー T ダイヤモンド ワイヤーリング〈K18RG、ダイヤモンド〉¥220,000・ティファニー T ダイヤモンド&マザーオブパール ワイヤー リング〈K18RG、MOP、ダイヤモンド〉¥215,000・ティファニー T ワン ワイド ダイヤモンド リング〈K18RG、ダイヤモンド〉¥615,000(参考価格)/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク(ティファニー)

※この特集中、以下の表記は略号になります。SV(シルバー)、RG(ローズゴールド)、MOP(マザーオブパール)

SOURCE:SPUR 2020年10月号「眼福ジュエリー図鑑」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Yumi Takashiba edit: Michino Ogura text: Hiroko Naruse

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