2021.01.05

眼福ジュエリー図鑑 vol.23 Cartier

メゾンを象徴する「パンテール ドゥ カルティエ」。時代を超えて女性たちに寄り添い、その心をつかんできた。野性のスピリットが、大胆な生き方への憧れをかきたてる。

【新】しい人物像を描く、伝説のアイコン

カルティエの「パンテール」モチーフは、20世紀初頭に誕生。洗練された斑点模様が、エッジィな顧客に愛された。1949年にはハイジュエリー最高責任者ジャンヌ・トゥーサンにより、代表的な傑作となる、ウィンザー公爵夫人のブローチが生まれた。立体的で生き生きとした姿は、社会に進出し始めた女性たちに重なる。21世紀を迎えると、写実的なデザインはグラフィカルに進化。その本質――しなやかなパワー、気品あふれる佇まいをコンセプチュアルに表現するようになる。最新形は自由でエレガント、かつ官能的だ。ピースに備わる力強さとやさしさを、先が見通せない今こそまといたい。自分がどうありたいかを示すために、「パンテールのようなひと」と呼ばれる日をめざして。

建築物にインスパイアされて誕生した最新作は、交差するラインと空間が特徴。構築的なデザインに比して仕上げはほのかな丸みを帯び、なめらかだ。モダンな印象に温かみを添えて。

「パンテール ドゥ カルティエ」リング〈K18YG、ツァボライトガーネット、オニキス〉¥1,236,000

パヴェセッティングで彩られた2頭のパンテールと、流れるようなフリンジ。片耳に対し計1.24ctのダイヤモンドが 施され、華やかな魅力をふりまく。

「パンテール ドゥ カルティエ」イヤリング〈K18WG、ダイヤモンド、エメラルド、オニキス〉¥7,920,000/カルティエ カスタマー サービスセンター(カルティエ)

※この特集中、以下の表記は略号になります。YG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)

SOURCE:SPUR 2021年2月号「眼福ジュエリー図鑑」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Yumi Takashiba edit: Michino Ogura text: Hiroko Naruse

FEATURE