「詩」や「夢」といったものを、ジュエリーで描くとしたら――? ヴァン クリーフ&アーペルのクリエーションは、今を生きる私たちが忘れてしまいがちな、ロマンティシズムや乙女ごころを思い起こさせてくれます。
ヴァンクリらしい夢やときめきを内包しながら、「日常生活で装う」ことに寄せて作られているのが”ペルレ コレクション”。自由な重ねづけを楽しめるシンプルなデザインながら、他と一線を画すのはアイコニックな”つぶつぶ”ディテールあってこそ。洗練された丸みを形づくるためにハイジュエラーのテクニックをいかんなく発揮しながらも、どや顔でそれを押し付けるのではなく、あくまでも愛らしく軽やかに。そんなメゾンの心意気を表している気がします。
私の個人的な「To Buy List」にあるのは、ペルレ ヴァリアシオン リング。本当はマイ・宝箱にすべて揃えたいくらいどれも素敵なカラーパレットですが、まずはいちばん左のカーネリアンを狙っています。(右)<イエローゴールド、マラカイト>¥250,000(中)<ホワイトゴールド、ターコイズ>¥320,000(左)<ピンクゴールド、カーネリアン>¥230,000。
この秋、魅力的な新作も仲間入り。つやつやのハードストーンと、煌くダイヤモンドが指と指の間を彩る”ペルレ クルール アントレ レ ドア リング”。ハードストーンの色に合わせて地金の色を絶妙に変えているところが心にくく、フォークリングタイプのデザインもモダンです。
(写真上・右)<ピンクゴールド、カーネリアン、ダイヤモンド>予定価格¥750,000
(同中)<ホワイトゴールド、ターコイズ、ダイヤモンド>予定価格¥1,050,000
(同左)<イエローゴールド、マラカイト、ダイヤモンド>予定価格¥825,000
(写真下)ペレル シニアチュール ブレスレットやペルレ リングなどと重ねづけ。
ちなみにこの”つぶつぶ”はどこから来ているのでしょうか? ペルレ コレクションが誕生したのは2008年。ですが、つぶつぶ=ゴールドビーズのストーリーは1920年代に遡ります。1922年にツタンカーメン王の墓が発見され、エジプト風ジュエリーが流行。そこでヴァン クリーフ&アーペルは、金属の粒を重ねた細い糸を用いてこのムードを取り入れた作品を作りました。1948年以降、ゴールドビーズは再び多くの作品に登場。アーペル一族がモロッコを旅した際にクスクス コレクション ネックレス、イヤリング、ブレスレット、ウォッチが誕生しています(下の写真は1949年に作られたクスクス ウォッチ)。
うちの近所にモロカンレストランがあり、しばしば足を運んでいますが、いつも口にしているあのクスクスがジュエリーのインスピレーション源だったとは。そんなストーリーを知ったからには、エキゾチックな装いに重ねづけしたくなります。同じモロッコつながりで、マジョレル庭園にてくつろぐイヴ・サンローランのように白いカフタンに合わせたら映えそう。もしくは、サンローランのミューズ、タリサ・ゲッティ風に華やかな柄のドレスに合わせてモリモリに……。妄想は膨らむばかり。やっぱりペルレ ヴァリアシオン リング、買っちゃおうかしらん。
[ヴァン クリーフ&アーペル]
http://www.vancleefarpels.com/jp/ja.html
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。