ヘビの頭を象徴するしずく形モチーフを囲むゴールドのビーズや、ウロコのような質感に、伝統の彫金の技が光る。ハニカム状の透かし細工を施した台座にダイヤモンドをセッティングして、その輝きを最大に引き出している。
"セルパンボエム"(右から)トワエモワ リング〈K18PG、ダイヤモンド〉¥890,000・ペンダント〈チェーン44㎝/K18YG、ダイヤモンド〉¥560,000・ブレスレット〈チェーン17.5㎝/K18PG、ダイヤモンド〉¥500,000・リング ミディアム〈K18PG、ダイヤモンド〉¥364,000/ブシュロン カスタマーサービス(ブシュロン)
150年以上の歴史をもつブシュロンは、パリのヴァンドーム広場に最初に宝石店を構えたことで知られる。創業者のフレデリック・ブシュロンは、アイデアあふれるクリエイターで、新たな題材を求めて世界中を旅していた。その彼が最愛の妻に贈ったのが、セルパン(ヘビ)モチーフのネックレスだった。
洋の東西を問わず、古代からヘビは再生と不死、無限の象徴とされ、愛と幸福をもたらすモチーフとして重用されてきた。その「お守り」という存在にとどまらず、さらにボエム(ボへミアン的な)というモードな感性をミックスしたのが、"セルパンボエム"。そこには創業時から、王侯貴族のみならず、独創的なスタイルを追求するエッジィな女性たちを顧客としてきた、メゾンの心意気が継承されている。
このコレクションは、ヴィンテージ感と現代感覚を併せ持っている。それはまさに、さまざまな時代のデザインをミックスし、新しいスタイルを創造するファッショントレンドに通じるもの。たとえば下の写真のドレスは、クラシカルな要素をもちながらも、素材感やディテールに、今っぽい軽やかさを表現している。そこに"セルパンボエム"が加われば、時代を超越するスタイルが新たに誕生する。
このネックレスは、幾通りものつけこなしが楽しめる。まずロングネックレスとして、次にトップを取りはずしてピン型の留め具につけ、ブローチとして。さらに写真のように、チェーンの長さを調節して、2連のチョーカーに。ペイズリープリントのシフォンドレスの襟元に、洗練された輝きをプラス。
"セルパンボエム"ロングネックレス〈チェーン80㎝/K18YG、ダイヤモンド〉¥2,190,000・ぺンダントイヤリング〈K18YG、ダイヤモンド〉¥1,210,000/ブシュロン カスタマーサービス(ブシュロン)
ドレス¥550,000/エトロ ジャパン(エトロ)
SPUR2016年11月号掲載
>こちらの特集は電子書籍でもご覧いただけます