CHAUMETの“オルタンシア”

ティアラで名高いショーメは、19世紀初頭のトレンドセッター、皇后ジョゼフィーヌに愛されたジュエラー。 メゾンが得意とするフローラルモチーフのジュエリーは、どの時代も、モードとジュエリーを共に楽しみたい女性の心に響く。
※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)、MOP(マザーオブパール)

可憐な花に込められた、ジュエリーとモードへの想い


ふっくらとした小さな花を集めたブーケを、パヴェダイヤモンドと、やさしい丸みを帯びた形のカルセドニーで表現した、リングとイヤリング。 ブルーサファイアの深い青が神秘的だ。 カルセドニーの花にパヴェダイヤモンドの小花をあしらった、シンプルなペンダントも揃っている。
"オルタンシア"ヴォア・ラクテ リング〈K18WG、ダイヤモンド、カルセドニー、ブルーサファイア〉¥1,220,000・同 イヤリング¥3,230,000/ショーメ ダウンコート¥267,000/モンクレール ジャパン(モンクレール)

 ナポレオン一世とその皇后ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとして、宝飾史にその名を残すショーメ。ティアラに象徴されるハイジュエラーのクリエーションと、ファッションとの接点は、意外に身近なところにある。

それは目下人気のトレンド、フローラルモチーフだ。1780年の創業当時からショーメは、自然のモチーフ、とりわけ野に咲く草花の卓越した表現で知られていた。それを愛した皇后ジョゼフィーヌは、風に吹かれる麦の穂を題材にしたティアラの制作を依頼。このティアラの動きのあるデザインは、現代に通じるセンスを持ち、メゾンの自然主義の神髄を後世に伝えている。

 ジョゼフィーヌは、世界中から珍しい花を取り寄せて育てていたといわれる。その中のひとつが、日本から渡ったと思われるアジサイ。この花が時を超え、現代のショーメにインスピレーションを与えた。ジュエリーを構成する立体的な小花モチーフは、パヴェセッティングされたダイヤモンドと、ふっくらと形づくられたカルセドニーで表される。素材とテクニックを絶妙にミックスするのは、ファッションの手法に通じること。だからこそ気品ある佇まいに臆せず、スポーティなダウンにも合わせてみよう。時代やスタイルをリミックスした現代のモードに、白い花がピュアな輝きをもたらす。


230年余にわたって受け継がれてきた、メゾンのジュエリー制作のノウハウが詰まった、シークレットウォッチ。文字盤の蓋にたおやかに咲く小花は、ふんわりと立体的な花びらを持ち、重なり合って大きな花を形づくる。自然描写に定評のあるショーメが、その愛らしい表情を、モダンで軽快なジュエリーウォッチに結晶させた。
"オルタンシア"ヴォア・ラクテウォッチ〈K18WG、ダイヤモンド、カルセドニー、ブルーサファイア、MOP文字盤、クォーツ、サテンストラップ 〉¥6,130,000/ショーメ

SOURCE:SPUR 2017年2月号「ジュエリーはファッションだ」
photography:Masanori Akao〈whiteSTOUT〉 styling:Noriko Sugimoto〈WHITNEY〉 hair & make-up:Hiromi Chinone〈cirque〉 model:Alma edit:Hiroko Naruse

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