名品と呼ばれる時計の、背景にある物語にフォーカスする連載の第5回。今回はロンジンの「ドルチェヴィータ」に着目してみよう。

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【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータ」【名品時計物語】

名品と呼ばれる時計の、背景にある物語にフォーカスする連載の第5回。今回はロンジンの「ドルチェヴィータ」に着目してみよう。

スイスが誇る、ロンジンの精密な腕時計づくり

ロンジン ドルチェヴィータの歴史

2015年製作の「ロンジン ドルチェヴィータ」ストラップモデル

ロンジンは1832年に、スイス・ジュラ地方のサンティミエで、オーギュスト・アガシによって創業された。甥のアーネスト・フランシロンが、いち早く「マニュファクチュール(工場での一貫性体制)」を実現。たゆまぬ技術革新によって、スイス時計産業に大きな影響をもたらした。

1878年に初めてのスポーツイベントの計時用計器を開発して以来、あらゆる分野のスポーツのオフィシャルタイムキーパーを務めるようになる。

また、飛行士、航海士、探検家、アスリートなどのプロフェッショナルに向けた、精密な計時機能を備えた計器で世界に知られる存在に。初期のロンジン愛好家には、ニューヨークからパリまでの無着陸飛行を成し遂げた飛行家チャールズ・リンドバーグを始め、アメリア・イアハートやエリノア・スミスといった女性飛行家の名前も見ることができる。

ロンジンはプロフェッショナルウォッチの製作を通じて学んだノウハウを腕時計に反映した。また、世界選手権の公式計時担当として、国際スポーツ連盟のパートナーとして、何世代にもわたって積み重ねた経験が、ロンジンの時計への信頼性をいっそう強固なものにしている。

女性用腕時計の開発

【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータの画像_2

1902年製作

エレガントなウォッチメイキングでも名高いロンジン。いち早く小型ムーブメントを開発し、製品に反映することで、20世紀初頭より小さな女性用腕時計の製作を可能にした。記録に残る最初の一般向けの腕時計は1902年。ゴールドのシンプルなラウンドウォッチだった。

ロンジン 上2本は1912年 下は1914年に販売

上2本は1912年、下は1914年に販売

ロンジン 1900年代初頭 モデル ジェムセッティング

1912年製作

また、1900年代初頭からジェムセッティングの高い技術により、ダイヤモンドなどの宝石をあしらったリュクスなデザインが作られるようになる。

ロンジン 1916年製作のトノー型ウォッチ

1916年製作

1916年製作のトノー型ウォッチは、その小さなサイズに込められた極小ムーブメントとダイヤモンドのセッティングに、匠の技が光っている。

「ロンジン ドルチェヴィータ」の誕生

女性用時計の開発 1920~30年代 「ドルチェヴィータ」 レクタンギュラー型の時計

1920~30年代製作

アールデコが華開いた1920~30年代に、「ドルチェヴィータ」の現在の姿に繋がる、レクタンギュラー型の時計が作られるようになり、ブームとなった。

【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータの画像_7

1927年製作

長方形のケースのバランスを少しずつ変えて、さまざまなデザインが誕生。その中で1927年に製作された伝説的なアーカイブモデルが、「ドルチェヴィータ」の着想源になったと言われている。この時代からすでに、機能的なレザーストラップを備えている点に注目してほしい。

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1997年製作の「ドルチェヴィータ」ファーストモデル

そして1997年に誕生した「ドルチェヴィータ」ファーストモデルは、1927年製アーカイブモデルの端正なレクタンギュラー型を受け継ぎながらも、たおやかな女性らしさが際立っている。

柔らかなカーブを描くケースや、しなやかに腕に沿うブレスレット部分に、優雅さが香り立つようだ。

「Elegance is an attitude」とは

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1950年代の広告ビジュアル

1997年にデビューした「ドルチェヴィータ」に呼応するのが、ロンジンの哲学「Elegance is an attitude(エレガンスを身にまとう)」。「ドルチェヴィータ」のタイムレスで気品あふれる佇まいから香り立つような優美な姿が、インパクトあるスローガンを体現する。

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1997年の「ドルチェヴィータ」広告ビジュアル

エレガントな時計は、美しいアティテュードの女性を創る。デビュー時の広告写真は、まさにその象徴だ。

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1997年の「ドルチェヴィータ」広告ビジュアル

2023年には、端正な長方形フォルムを受け継ぎつつ、よりコンテンポラリーに進化した「ミニ ドルチェヴィータ」が登場。レクタンギュラーウォッチの伝統を更新しながら、変わることのないエレガンスの精神を体現している。

「ロンジン ドルチェヴィータ」と「ミニ ドルチェヴィータ」

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クラシックとモダンなセンスの融合が印象的なデザインで、ロンジンを代表するコレクション「ロンジン ドルチェヴィータ」。17.7×27mmと20.8×32mmのレクタンギュラー型ケースのモデルは、調和のとれたプロポーションが際立つ。フランケ装飾が施されたダイヤルや、クラシックなローマ数字のインデックス、ブルースティール針は、ウォッチメイキングのクラフツマンシップの証し。レザーストラップはインターチェンジャブルで、簡単に交換が可能。メンズサイズも展開されているので、ペアウォッチとしても楽しめる。

その延長線上にある「ミニ ドルチェヴィータ」は、クワイエットラグジュアリーを体現する新世代のモデル。21.5×29mmの小さめのケースはバランスが良く、どんなオケージョンにも対応できるのが強み。

新作からベストセラーまで「ロンジン ドルチェヴィータ」&「ミニ ドルチェヴィータ」傑作選

エレガンスにモダンさを加えたハイブリッドモデル

【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータの画像_13

時計「ロンジン ドルチェヴィータ」〈20.8×32mm/SS、SSブレスレット、クォーツ〉¥226,600

知的な印象のレクタンギュラー型の文字盤と、腕になじむブレスレットの組み合わせが魅力的な「ドルチェヴィータ」。

着想源の面影を残すクラシックモデル

時計「ロンジン ドルチェヴィータ」  アリゲーターストラップ

時計「ロンジン ドルチェヴィータ」〈20.8×32mm/SS、アリゲーターストラップ、クォーツ〉¥226,600

「ドルチェヴィータ」らしい端正な文字盤と、アリゲーターストラップの気品ある表情が際立つ。ワーキングスタイルにも。

リュクスなイエローゴールドを効かせて

ロンジン イエローゴールドとステンレススティールのコンビ ミニ ドルチェヴィータ

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、YG×SSブレスレット、クォーツ〉¥810,700

イエローゴールドとステンレススティールのコンビが小粋な「ミニ ドルチェヴィータ」。リュウズはイエローゴールド。

ダイヤモンドの輝きが手もとを際立たせる

ロンジン 時計 ドルチェヴィータ ミニ 

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、ダイヤモンド、SSブレスレット、クォーツ〉¥619,300

ダイヤモンドとステンレススティールの白い輝きが優美な一本。ブルースティールの針が、表情を引き締めている。

カラーストラップでチャーミングに

ロンジン 時計「ドルチェヴィータ ミニ」

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、アリゲーターストラップ、クォーツ〉¥251,900

アリゲーターストラップの色味によって、ガラリと表情が変わる。ストラップは付け替えて楽しめる。

モード派におすすめのクールなモデル

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時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、ダイヤモンド、レザーストラップ 、クォーツ〉¥576,400

3本のブレスレットを巻きつけたような、個性的なデザイン。カジュアルなコーディネートの仕上げに。

「ミニ ドルチェヴィータ」を着用したロンジンのアンバサダーたち

ジェニファー・ローレンス

ロンジン アンバサダー ジェニファー・ローレンス

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、ダイヤモンド、SSブレスレット、クォーツ〉¥619,300

2023年、「ミニ ドルチェヴィータ」ローンチ時のジェニファー・ローレンス。当時のメインモデルを腕に。

スジ

【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータの画像_20

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/SS、SS×YGブレスレット、クォーツ〉¥810,700

韓国の女優・歌手のスジ。彼女が活動の中で魅せる情熱とエレガンスはブランドイメージそのもの。着用モデルは2025年の新作。

バーバラ・パルヴィン

【ロンジン】の名品時計「ドルチェヴィータの画像_21

時計「ミニ ドルチェヴィータ」〈21.5×29mm/YG、SS、ダイヤモンド、SS×YGブレスレット、クォーツ〉¥1,166,000

ハンガリー出身のモデル、バーバラ・パルヴィンもアンバサダー・オブ・エレガンスの一人。2025年の新作を着用。

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