#4 ただいま、「ディ・サイド」【ダミアーニ】

イタリア屈指のハイジュエラー、ダミアーニ。そのアイコンとなるコレクションが“D.SIDE(ディ・サイド)”。

「D」は言わずもがな、ダミアーニとダイヤモンドの頭文字から。「SIDE」は、二重のリングの両サイドをダイヤモンドで繫ぎとめた、コレクションを象徴するデザインから。これらを合わせて「ディサイド(DECIDE)」と読ませることで、人生の大切な「決断」という意味が込められている。

そして、“ディ・サイド”といえば、ブラピだ。

コレクション誕生のきっかけは、ブラッド・ピットがかつての妻、ジェニファー・アニストンに贈った結婚指輪。彼自身がダミアーニと共同でデザインしたことが話題を呼び、世界的ヒットにつながった。その後二人の結婚生活はわずか五年で終止符が打たれたものの、ジュエリーの人気が落ちることはなく今に至る。

物に罪などない。私もそっち派である。だからと言って、正直欲しいと思ったことは一度もなかった。どうもミーハーな感じがしたからだ。ブラピとレオ様が大ブレークした'90年代をリアルに経験した世代なら、この気持ちを分かってくれる人がいるかもしれない。オンリーワンを求めて長年こじらせていた私は、みんなが憧れる「ブラピのジュエリー」を敬遠してきた。

ずっと遠ざけていたものでも、ある程度の年齢になると素直に受け入れられることがある。

三十代後半になった今、“ディ・サイド” のブレスレットに改めて出合った。まろやかな光沢を放つマザーオブパールが、ピンクゴールドの二重のリングの中に収められ、そのリングを繋ぐように五粒のダイヤモンドがセットされている。こんなに素晴らしいものに、なぜ今まで見向きもしなかったのだろう。こっちはもう合わせる顔がないというのに、向こうはどこまでもピュアで優しく輝いている。それでいて、引き込まれるような迫力もあわせ持つ。

全てを受け止めて、「おかえり」と言われているような気がした。今だからこそ素直に「ただいま」が言える。ようやくその境地にたどり着いた。

確かに、どんな装いにもマッチするし、どんなシーンにも活躍しそうなデザインだ。けれどもあえて言う。このブレスレットを身につけるなら、それに合った着こなしをちゃんと選びたい。決断を意味する “ディ・サイド” のジュエリーには、意志あるスタイルこそがふさわしいはずだ。

ブレスレット〈PG、ダイヤモンド、マザーオブパール〉¥307,000  
ブレスレット〈PG、ダイヤモンド、マザーオブパール〉¥307,000  

ダミアーニ 銀座タワー
http://www.damiani.com/jp/
03-5537-3336

illustration:Uca text:Eimi Hayashi

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