ちなみに、マドモアゼル シャネルが初めてキルティングのモチーフをウェアに取り入れたのは1920年。それから約1世紀後に、まさかこうしてファインジュエリーにも採用されることになるとは、さすがの彼女も予想していなかっただろうか。100年の時を超えてもまったく色褪せることなく、むしろモダンにアップデートされ続けている奇跡。「ファッションは移り変わるが、スタイルは永遠。」という言葉を遺した彼女なら、もしかしたらそんなこともお見通しだったのかもしれない。
さて。そんなわけで、今年こそは何としても手に入れたい「ココ クラッシュ」のリング。ホワイト、イエロー、ベージュの悩ましすぎる三択だが、ファーストアイテムはやっぱりシャネルオリジナルのベージュゴールドかな。肌なじみがいいというか、素肌と同化してしまいそうなニュアンスのあるカラーは、やわらかくて気品があり、18Kゴールド本来のしなやかな輝きをいっそう引き立たせている。
程よい主張のあるミディアムモデルなら、レイヤードも自由自在だ。指につけると「どうぞお気に召すままに」と囁かれているような気持ちに。マドモアゼル シャネルなら、どんな重ねづけを楽しむのだろう。「ラグジュアリーとは心地よいもの」という彼女の言葉にならって、自分が一番心地よいと思えるバランスを見出したいものだ。

