運気を呼び込む、神秘の蝶【マリーエレーヌ ドゥ タイヤック】#61

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モハメド・アリじゃないけれど、「蝶のように舞えたら」と思うことがよくある。仕事も家事も育児も、軽妙なフットワークでそつなくこなせたら、もっと自由な時間が増えてやりたいことができるのになあ。なんてもっともらしい愚痴をこぼしてみたが、実際休みの日に何をしているかというと、特に何もせず家でゴロゴロしているテイタラク。振り返れば、昔からずっとこんな調子で支離滅裂に生きてきたように思う。

コロナ禍で、気心の知れた友人数名と「Zoom飲み」をやってみたことがある。缶ビールを数本開けたところで「私の人生なんて働き蜂みたいなものだから」と、ひとりが画面越しにくだを巻き始めた。そこから話が変な方向に発展し、生まれ変わるなら蜜蜂か蝶どっちがいいか、という謎の話題に。大切な子どもを育てるためにせっせと蜜を集めては巣に持ち帰り、一生決められた範囲でしか生きられない蜜蜂か、あるいは花から花へと気まぐれに飛びまわりながら、美しくも孤独に生き抜く蝶か。同じ花の蜜を吸って生きる昆虫でも、その生き様はまったく違う。何にも縛られず、軽やかに自由を謳歌する蝶のような人生って素敵。一方で、自分の居場所があり、帰りを待っていてくれる家族や仲間に恵まれるのもまた、この上なく幸せなことだ。とはいっても所詮は酔っ払いたちの戯言なので、その先の展開はまったく覚えていない。 

ところで、蜂も蝶も古くから幸運のシンボルといわれており、ジュエリーでは定番のモチーフとして愛されてきた。特に蝶は、サナギからドラマティックにその姿を変容させることから、「生まれ変わり」や「復活」の象徴ともされている。確かにあの劇的な変化は、かなうことなら自分も体験してみたいものだ。ある日長い眠りから目覚めたら、自分の容姿が突然レディ・ガガになっていた、ぐらいの衝撃なんじゃないかと思っている。 

 

別に誰かに生まれ変わりたいわけではないし、ここまでいろいろ書いておきながら実は昆虫全般が苦手だったりもするので、はっきり言って蝶モチーフにはそんなに惹かれない。しかしマリーエレーヌ ドゥ タイヤック(MHT)の蝶は例外。幼い頃にクレヨンで描いた“チョウチョ”の絵のような、程よく抽象化されたチャーミングな意匠に心をくすぐられる。そこにリュクスな表情を添えるのが、22Kイエローゴールドのアンティークのような輝きと、タンザナイトとアパタイトによるブルーの美しい競演。「色石の魔術師」と呼ばれるMHTならではの神秘的な色使いが、吉兆を暗示するよう。 

 

プレイフルだけれど、大人のさじ加減を心得ているのがMHTのジュエリーだ。気がつけば肩下まで伸びてしまった髪をラフに束ねて、タートルネックの耳もとにこの可憐な2頭を合わせてみたい。ラグジュアリーでありながら可愛げもあり、日常のエフォートレスな着こなしにもすんなりとマッチするインティメイトな存在。毎日を共にすれば、大事なシチュエーションでそっと何かを引き寄せてくれるかもしれない。 

イズニック
イズニック "タイトリー" ピアス〈K22YG、タンザナイト1.11ct、アパタイト0.76ct〉¥223,300

エムアッシュテ(マリーエレーヌ ドゥ タイヤック)
https://mariehelenedetaillac.com/
03-5468-2703

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