仕事で銀座に行くと、時間に余裕があるときに必ず立ち寄るのがドーバー ストリート マーケット ギンザ。店内をひと通り見て回った後、西五番街通り側から店を出て銀座駅へ向かう途中、ちょうどみゆき通りとぶつかる交差点角に、ジョージ ジェンセンの銀座本店がある。半年ほど前に、そこでマーシーというコレクションのシルバーバングルを半ば衝動的に購入してしまったのだが、ストアスタッフのKさんが丁寧かつ気さくな接客をしてくださったおかげで、結果的にとても満足のいく買い物になった。
会計を済ませて、綺麗に梱包された商品と一緒に手渡されたのは、まさかのスタンプカードだった。買った日の日付とともに王冠のスタンプが押されていて、「10ポイント貯まるごとに素敵なプレゼントをご用意しております」とKさんがにこやかに説明してくれた。デンマーク王室御用達の歴史あるジュエリーブランドが、こんな馴染みのあるサービス（直営店限定）をやっているのかと意表を突かれ、ますます好感度が上がった。このご時世に、紙のカードにスタンプを押すという近所のパン屋さんみたいなアナログ方式も愛おしい。これまでいろんな店でスタンプカードを作ってもらっては紛失、あるいは処分する、というのを繰り返してきたが、「ジョージ ジェンセンのポイントとあらば、ブランドのいちファンとして、なんとしても貯めなくては」と使命感にも似た思いに駆られ、いつでも取り出せるように財布のポケットにしまっておくことにした。
さて。夏本番に向けて今一番ほしいのは、Tシャツやタンクトップなどのカジュアルなトップスに映えるネックレス。ここ１、２年はタフなシルバーチェーンネックレスの出番が多かったが、最近は繊細なゴールドネックレスにも新鮮みを感じている。肌と同化するようにさりげなく、でもよく見るとハッと息を呑むほど美しいダイヤモンド付きのもの。主張せずとも真に上質な輝きを、首元にさらりとまといたい。そんな気分に呼応するかのように現れたのが、この春発表された新作コレクション、ジョージ ジェンセン シグネチャー ダイヤモンドのペンダントだった。
大きさの異なるラウンドブリリアントカットダイヤモンドが連なり、ニコッと微笑むように描かれた七つ星。ささやかなユーモアと、心まで浄化されそうなほどクリーンなきらめきを併せ持つデザイン。そこにひとさじの個性を加えるのが、ダイヤモンドを支えるイエローゴールドの石座だ。
有機的な曲線をたたえる３つのプロングによるセッティングは、ブランドが長年かけて生み出した独自の技法。まるでほころびかけた小さな花の蕾のように、ひとつひとつのダイヤモンドを優しく包み込む。光をあらゆる方向から取り込み、つぶらな石の輝きをいっそう引き立たせる。
石座のデザインが違うだけで、こんなにもモダンに見えるものなのか。シンプルな白いTシャツに合わせれば、バルト海の風が抜けるようなラフさが漂う。今こそ、半年前にもらったあのスタンプカードを活用するときなのでは。このペンダントを思い切って購入すれば、一気に10ポイント獲得だ。
悩んでいた矢先、わたしの思いを察知したかのようにKさんから電話があった。「突然ごめんなさい。毎日蒸し暑いですが、お変わりございませんか。気分を晴らすためにもぜひ、バングルのお磨きにいらしてください」。押しつけがなく、形式ばっているわけでもなく、とても簡潔で温かいことばだった。そろそろまた、あのひとに会いに行こう。王冠の付いた、世にも素敵なスタンプカードを握りしめて。（＊スタンプカードの内容は変更予定）
ジョージ ジェンセン ジャパン
https://www.georgjensen.com/ja-jp
0120-637-146
