大切な人と、同じものを身につけたい。なぜ人はそう思うのだろう。愛情、絆、安心、それとも、束縛? 独占? 錯綜する思いは目に見えない。だからこそ、分かりやすくかたちにしたい。そういうことなのだろうか。あるいはもっと単純に、いまこの瞬間をともにする二人の気持ちを盛り上げたい。ただそれだけのことなのだろうか。
10代の頃は、恋人とペアでつける指輪に憧れた。20代になって実際に恋人ができたら、おそろいなんてめんどくさいと興醒めした。それから結婚してマリッジリングを交換したが、知らぬ間に夫が指輪をなくし、気がついたらペアでもなんでもない、私だけのものになっていた。誰かとおそろいにして、つながりを求めても、結局それを身につけているのは自分自身。人はくっついたり、別れたりを気まぐれに繰り返すけれど、物というのはなくしたり捨てたりしない限り、生涯持ち主に帰属する。決して消えることのない、確かな存在として。だからこそ、わたしはこう信じる。ペアだったものがいつしか自分ひとりだけのものになったとしても、そこに刻まれた幸せな記憶はホンモノだと。それが消えてしまうことは、決してないのだと。
ペアジュエリーといえば、少し前までは指輪のイメージが強かったが、最近はそうでもなくなったらしい。指輪よりも資産価値があるという理由で時計を購入するカップルもいれば、指輪よりももっと気軽に、ピアスやブレスレットを選ぶ人もいる。愛のかたちが多様であるように、愛のしるしだって人それぞれ。いまを生きるわたしたちは、風のように、旅人のように自由でいたいのだ。
ユニセックスで身につけられるペアジュエリーとして人気を博しているのが、ルイ・ヴィトンの「LV Volt(LV ヴォルト)」コレクション。ブレスレットにあしらわれた稲妻のようなモチーフを見て「なるほど、だからVoltなのか」と合点がいくも、よく見るとそれはただの稲妻なんかじゃない。メゾンを象徴するイニシャルを落とし込み、反転させたデザインであることに気がつき、これまた違った意味で稲妻に打たれたような気持ちになる。シンボリックでありながらも抽象的なその造形は、ミニマルであると同時に躍動的。緊張感のある精緻なラインとは裏腹に、イエローゴールドの華奢なチェーンがやわらかく、しなやかに腕に沿う。
相反する要素を融合した、モダンな一撃。デザインを手がけたフランチェスカ・アムフィテアトロフ氏は、数々のビッグメゾンで経験を積み、ティファニーのデザイン・ディレクターを務めた才女で、2018年からルイ・ヴィトンのウォッチ & ファインジュエリー アーティスティック・ディレクターとして活躍している。東京で生まれ、ロンドンやローマ、ニューヨークなど世界各地を移り住んできた彼女にとって、人生とは旅そのもの。かつてルイ・ヴィトン氏が創業時に掲げた「旅の真髄」の精神と深く共鳴しながら生み出されたクリエーションだからこそ、軽快でありながらも胸を打つ力強さがある。ピカチュウの必殺技、10万ボルトの電撃をはるかに凌ぐパワーを秘めている。
これを読んでくださっているあなたなら、このブレスレットを誰と共有したいだろうか。永遠を誓ったパートナーと? 絆を深めた友人と? それとも心の中にいるもうひとりの自分と? 人生が壮大な旅路だとして、その道中で出会った人と紡いだ物語のかけらをジュエリーとして記憶することができるなら、これほど贅沢なロマンスはない。そのときのその瞬間の喜びが、かけがえのない財産になる。どんなに時間が経っても、いつだってすぐそばで輝き続けているのだ。
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
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