結ばれし絆【TIFFANY & CO.】#79

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2021年の春ごろ、ひとりの女性とインスタグラムを通じて知り合った。私が偏愛するブランドでPRのお仕事をされていた、ゆうこさんという方で、以前購入したアイテムの写真を投稿したら、ご丁寧に御礼のメッセージをくださったのがきっかけ。以来、ゆうこさんとのソーシャル上のお付き合いが始まり、時々メッセージを送り合う仲になった。


ゆうこさんは、私が当時頻繁に通っていたショップの常連客でもあった。店頭でお会いしたことこそなかったが、彼女の突き抜けたファッションセンスは憧れで、いつもSNS上で彼女のことを追いかけていた。たまに届くゆうこさんからのメッセージは、彼女の人柄を物語っているかのようにあたたかくて、無機質な書体のテキストに、木漏れ日のような笑顔を添えて贈ってくださる人だった。ブランドのイベントにも定期的に誘ってくださり、たとえタイミングを逃してしまっても、「きっとすぐに会える」と信じて疑わなかった。

2023年春、ゆうこさんはがんとの闘病の末、旅立った。新緑が生い茂る1年で最も美しい季節に、やさしい光に包まれるかのように、静かに旅立っていかれた。闘病の事実を知らなかった私にとっては、あまりに突然で、衝撃的なことだった。何度もやりとりしていた朗らかなメッセージの裏側に、どれほどの苦しみを抱えていたのだろうか。お決まりの挨拶ぐらいの気持ちで送った「また会えるのを楽しみにしています」の返事に、どれほどの祈りが込められていたのだろうか。あまりに何も知らなすぎた自分を、心底悔やんでいる。

私がゆうこさんとともにした時間はとても短かったけれど、儚い時間の中でたくさんの愛を届けてもらったし、たくさんの人と繋げてもらった。ゆうこさんを通じて、ブランドのデザイナーの方とも親交を深めることができた。海外にいらっしゃるのでなかなかお会いする機会はないけれど、それでもときどき言葉を交わし、そのたびにゆうこさんに思いを馳せている。

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「ティファニー ロック」ピアス〈YG、ダイヤモンド〉¥995,500

愛にあふれたゆうこさんを思うとき、彼女の耳もとに「ティファニー ロック」ピアスの輝きを想像する。どの角度から見ても研ぎ澄まされたデザインは、モードをこよなく愛する彼女の着こなしに、ぴったりと寄り添ったに違いない。

1837年の創業以来、揺るぎない愛をジュエリーというかたちで表現してきたティファニーのアーカイブスから、ブランドの重要なモチーフとされているパドロック(南京錠)に着想を得たコレクション。18Kゴールドのスリークな地金が耳たぶにカチッとはまるたび、大切なものにロックをかけたような気持ちになる。


オーバル形の曲線を精緻に描く「ティファニー ロック」が表現するのは、人と人との絆。たまにしか会えない人も、どこか遠いところへ旅立ってしまった人も、どんなに会いたくても二度と会えない人も、一度結ばれた絆があるのならば、それが消えることはない。もし仮に切れてしまったとしても、必ずまた結び直すことができる。これは、私の大切な人が教えてくれたことでもある。確かな結びつきがあれば、人は誰かの心の中でずっと生き続けられる。なめらかな楕円を途切れることなく描く、タフで美しい意匠が、そう語りかけてくる。


ほわんとあたたかいイエローゴールドにちりばめられた、ダイヤモンドの清廉な輝きが、ふいにゆうこさんのキラキラした笑顔と重なる。耳につけたときの心地よい重量感が、姿はなくても「ともにいる」ことを感じさせてくれる。愛と絆をかたどった「ティファニー ロック」。タイムレスに輝き続ける一対のピアスと人生をともにしながら、大切なあの人をいつもそばに感じることができる。誰かとともに生きている感覚を、味わえるのだと思っている。

ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク

https://www.tiffany.co.jp/
0120-488-712

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