イギリスのブライトンを拠点にジュエリー制作をする、mariko tsuchiyamaさんが手がけるリング。大粒のパールをワイヤーのように細い18Kゴールドが支える、ミスマッチなバランスに惹かれた。きゃしゃなアームの先端がパールの方にするりと伸びて、緩やかにカーブする。そのユニークな造形は、「まいったな」と頭を掻いているようにも見えてきて、じわじわ愛着が湧いてくる。
ゴールドとダイヤモンドの繊細な細工が、主役の美しさを引き立たせている。サウスシーパールと呼ばれる大ぶりのそれは、白蝶貝から採取される真珠で、真珠層が厚くテリが美しいのが特徴だ。真円ではなくあえて凹凸のあるバロックパールを採用することで、「可愛い」の数歩先をゆくインパクトが手もとに宿る。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。