クリーンでミニマルで、実用的。これぞスカンジナビアンデザインと思わせるスタイルが、多くのファンを惹きつけてやまないトムウッド。建築からインスピレーションを得たピースが多いことでも知られているが、新作の「Maze(メイズ)」も例に漏れず。
コレクション名のメイズは、英語で「迷路」という意味。方向音痴の自分がもしもこの中に入り込んでしまったら、たぶん一生出てこられないんじゃないかと思う。『バイオハザード』のレーザートラップよろしく、難攻不落である。
進めると思ったら行き止まりだったり、曲がった先で突然壁にぶつかってしまったり。ゴールが見えない不安がある一方、先がわからないからこその楽しみもある。いわれてみれば迷路って、人生の縮図のようなものかもしれない。小さなジュエリーピースをきっかけに、ふとそんなことを思った。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。