ダイヤモンドの連なりが流れるように揺れ動く、アーカーのピアス。ひと粒のバゲットカットダイヤモンドを起点に、ラウンドブリリアントカットダイヤモンドを何粒もあしらった長さの異なるゴールドバーが整然と吊り下がり、優美なトライアングルシェイプを生み出している。
はてどこかで見覚えがあるなと思ったら、『NHKのど自慢』で使われているチャイムだった。「ドシラソ ドシラソ ドミレ」の軽やかな音色が聴こえてきたら、気分は完全に日曜の午後である。合格のときの華やかな11音に対して、不合格なら鐘の音がひとつかふたつ。特に鐘がふたつの場合、歌った人によって1打目と2打目の間隔が微妙に違っていて、聴き比べるとなかなか趣深い。「残念! あなたは合格でもよかったのに!」という鐘奏者の思いが「ド」と「レ」の2音から伝わってきて、その絶妙な間合いになんともいえない気持ちになるのだ。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。