息子が保育園に通っていた頃、彼の中で粘土ブームがきていた時期があって、毎日いろんなものをこしらえていた。夕方迎えに行くと、ロッカーの上に不思議な白い物体が置かれていて、時折ビー玉がめり込んでいることもあった。これは、生き物なのか、何なのか。未確認の物体に首を傾げながらも、小さな手で一生懸命つくったんだろうなと思うと微笑ましかった。
そうは言っても、持ち帰っては溜まっていく一方だったので、気付かれないようにこっそり処分していた。今になってほんの少しだけ、惜しいことをしたなと思っている。でも、仮に残しておいたとしても、どこかのタイミングで手放していただろうなという気もする。不恰好だけれど愛おしかった息子の粘土作品を再び目にすることはもうない。あれは、あの年齢ならではの感性なのだろう。
それなりに歳を重ねたからだろうか。新しいものに出合うと、私の場合なぜか過去の思い出が蘇ってくることが多い。断片的な記憶の中から、子どもがつくった粘土作品を呼び起こすきっかけとなったのは、The Ouze(ウーズ)のシルバーリングだった。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。

