馬が合う相棒【Hi-CORAZON(ハイコラソン)】のリング #136

年明けから、馬をかたどったいろんなものを、いろんなところで目にした。誤解を恐れずに言うと、心に響いたものはまだ数えるほどしかない。「午年だから作ってみました」というマーケティング的な側面が垣間見えると、惹かれるよりも先に興醒めしてしまうのである。そんなひねくれた性格だから、これまでけっこう苦労してきたという話は、ここではいったん割愛させていただく。

【Hi-CORAZON(ハイコラソン)】のリング 。シルバーに、たてがみがイエローゴールド

だが、出合いはいつも突然やってくる。ある日、インスタグラムで邂逅したのが、川上裕美さんが手がけるHi-CORAZONの「OH MY HORSE」リングだった。シルバーで彫金された馬の横顔が、指の付け根から第一関節までを艶やかに覆う。小さなフープピアスをいくつも連ねたようなK18イエローゴールドのたてがみをなびかせ、というか、じゃらじゃらさせ、いかにも反骨的な風情である。心なしか、顔つきも生意気そうで、ほのかにメキシカンフォークアートのような摩訶不思議なムードも感じさせる。

なんだろう、この一筋縄ではいかなそうな馬は。「可愛い」というのもなんか違うし、「かっこいい」というのもしっくりこない(もちろんいい意味で)。どこにも媚びた要素がない。川上さんがフリーハンドで描いたであろうその馬に、初見で強烈に引き寄せられ、自分の指につけてみたいと思った。それはちょうど、好きな人に触れたいと思う感覚と似ているかもしれない。

【Hi-CORAZON(ハイコラソン)】のリング に目が釘付け。リング〈K18YG、シルバー〉¥253,000

リング〈K18YG、シルバー〉¥253,000

“Hi”は、川上裕美さんの名前から。“CORAZON”はスペイン語で「心臓」の意味。名前が示す通り、Hi-CORAZONのジュエリーには力強さがあり、脈打つような生命力を感じる。でも、それだけじゃないから面白い。見ていて微笑ましくなるようなユーモアがあり、何かに似てると思うような親密さがあり、身につける人の背中をそっと押してくれるような温もりもある。視界に入るたび、「周りなんて気にしないで、あなたらしく生きていけばいいじゃない」と言われているような気がして、心がふわっと軽くなる。

仕事や子育てに追われていると、日々をこなすのに精一杯で、なにしろ余裕がない。自分は何がしたかったんだっけ、何のためにこんなに頑張ってるんだっけ、と自分を見失いそうになることもしばしばである。そんなとき、直感的に「好き」と思えるものが手もとに輝いていると、ぼやけていた自分の輪郭がはっきりしてくるような気がする。そうだ、私はこういうものが好きなんだ。それが私という人間なのだ。好きなジュエリーに出合うことは、自分を取り戻すきっかけでもあると思う。心の隙間をそっと埋めてくれるのは、いつだって馬が合う相棒なのだ。

Hi-CORAZON
https://hicorazon.theshop.jp/

連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。