「その耳、いったいどうなってるの?」シャルロット シェネのジュエリーを初めて展示会で見たとき、ファーストインプレッションでそう感じた。石もパールも使わずに地金だけで構成されたアブストラクトなデザインが、耳を包むこむようにフィットする。一見ミニマルなのに、見れば見るほど複雑な構造で、「こんなジュエリー見たことない」と頭をひねった。
天地はあるのか、表裏はあるのか、このつけ方は正しいのか。そもそも、これはジュエリーなのか、はたまた彫刻なのか?
ニコラ・ジェスキエール時代のバレンシアガでジュエリーデザインの経験を積み、2015年に自身のブランドを設立。以来、着実にファンを増やし、ブランドを成長させてきた。そして10周年という節目を来年に控える今、新たにローンチしたのが「Biseau」というコレクションだ。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。