Tiffany & Co.(ティファニー)が、ダイヤモンドの原産地を完全透明化することを発表。2020年までに全ての商品について原産地を明記するほか、製造過程を含むリソース情報を完全開示する方針を固めた。
2019年1月9日(水)、ティファニーが自社製品に用いる個別登録済みダイヤモンドについて、原産地の完全透明化を進めることを発表した。業界に先駆けて、ダイヤモンドの責任ある調達と製造工程にこれまで投資をしてきたティファニー。今後も原産地にとどまらず、業界初となる製造工程の情報も一般に公開していく方針だ。
映画『ブラッド・ダイヤモンド』(2006年)で描かれているように、紛争ダイヤモンドはジュエリー業界において長きにわたり問題視されてきた。1999年以降、サプライチェーンの透明性を高める取り組みにいち早く着手してきたティファニーは、今回の発表により今後更にダイヤモンドの採掘元の透明化を推し進めるほか、人権保護と環境保全を徹底した自社工場での加工を確約するという。
また2020年までには、原産地に加えカットや研磨に携わった工房所在地を含む全製造工程の情報提供も開始。採掘された原石のルーツのみならず、製造工程の情報までを一般開示する試みは業界初のこと。ティファニー最高経営責任者のアレッサンドロ・ボリオーロは、今回のイニシアチブについて以下のようにコメントしている。
「自然の奇跡によって、30億年も昔に結晶化し、地表付近まで運ばれてきたダイヤモンドは、人生の大切な瞬間を共に刻む象徴的な存在です。ティファニー ダイヤモンドには何ひとつ不透明なことがあってはなりません。お客様は、ご自身にとって何にもかえがたい大切なダイヤモンドジュエリーがどこで産出されたのか、どのような流通ルートを経て手元に届いたのかを知りたいと願い、これを知る権利があります。」
text:Shunsuke Okabe