【ポメラート】がヘルムート・ニュートンにフォーカスしたメゾン初の単独展「ポメラート、ヘルムート・ニュートン&1980年代」を開催

著名なファッションフォトグラファーとのコラボレーションをいち早く取り入れ、従来のラグジュアリー広告から脱却した最初のジュエリーブランドとして、1980年代の躍動的な時代の精神を反映する革新的なアプローチを切り開いたポメラート。そのビジュアルは独自の優雅さと現代性を宿しながら、広告を芸術表現の域へと高めた。

本展では、ヘルムート・ニュートンが1982年から1984年にかけて手がけたポメラートのキャンペーンを、ラージフォーマットのプリントとして初めて紹介する。これらのモノクロ作品は、当時の著名誌に全面広告として掲載され、従来の広告手法を根底から覆す斬新なコンセプトだった。

会場では、訪れた人々をニュートン独自のアプローチでお出迎え。テーブルにこぼれ落ちるようにネックレスが広がる演出や、手首を飾る複数のブレスレットのクローズアップなど、印象的な作品を展開。ニュートンのレンズがとらえた、自分のためにジュエリーをまとう主人公の姿が並ぶ。

さらに、ポメラートのアーカイブから選び抜かれたヘリテージピースも展示。自然なカーブを描く名作のグルメチェーンをはじめ、イエローゴールドとダイヤモンドによる建築的な「Gate-link」ネックレス、上質な織物のようにしなやかに流れる「Tessute」のマスターピースなどがそろう。

今回の展覧会の開催を祝して、1982年にモデルを務めていたシルヴィア・ゴッベルは「ヘルムート・ニュートンは、カメラの存在を忘れさせてくれるような不思議な力がありました。ポメラートとは、自分でも気づいていなかった新しい一面/自信を発見することができたんです。あのパリでの日々は、とても刺激的でした。私たちはルールに縛られていなかった。だからこそ、忘れられない時間になったんだと思います」とコメント。

また、1984年にモデルを務めたアリエル・ブルジュラン・ドゥユーゴも「ヘルムート・ニュートンは私に「美しくいるように」とは一度も言いませんでした。彼が求めたのは『本当の私』であること。撮影はとても濃密で、まるで催眠にかかったような感覚さえありました。ポメラートを身に着けると、自分がまったく別の人間になったような気がして、これまで想像もしなかったほど大胆な自分に出会えたのです。彼のビジョンにも、私たちのやりとりにも、一つひとつの仕草にも、現場には情熱が満ちていました。私たちは皆、それが特別な瞬間であり、長く記憶に残るものになると感じていたと思います。その場の空気には、それが確かに漂っていたんです」とコメントを寄せている。

ニュートンによる挑発的なビジュアルと、ポメラートの職人技術が織りなす対話が繰り広げられる本展。クリエイティビティとファッション、そして作家的な写真表現が融合し、ラグジュアリーの新時代を切り開いた1980年代の空気を堪能して。