エッジの効いたセレクトで、モードラバーが信頼を寄せるセレクトショップのアデライデ。ヴェトモン、Yプロジェクト、マリーン セルなど、ヨーロッパの気鋭ブランドを日本でいち早く買い付け、トレンドを生み出してきたのが、マネージングディレクター・バイヤーである長谷川左希子さんだ。
高校を卒業後、渡英しロンドン芸術大学を卒業。帰国後の2009年に、ご両親にあたる長谷川順啓さん、眞美子さんが立ち上げたアタッシェ・ド・プレスであり、ディストリビューションエージェントザ・ウォールに入社し、現在では姉妹店であるアディッション アデライデを含む統括を担当している。
左希子さんの最近のスタイルはというと、ジャケットやトラウザーなどのテーラリング、そしてヌードカラーで全身統一したスタイリングがムードだという。
「今日着ているのは、バレンシアガのアワーグラスシルエットのジャケット。知性を感じるヌードカラーのスタイリングが好きで、ジュエリーも、肌馴染みの良いピンクゴールドで全て統一しています。今日の手元は、ホーセンブースとオーのリング。華奢なデザインのものを重ね付けするのが気分です」。
一方で、若手デザイナーのエネルギッシュなクリエイションを取り入れることも忘れていない。マリーン セルのアイコニックな「クレセント ムーン」プリントのインナーには、同じくマリーン セルの春夏コレクションで発表された、目の覚めるようなオレンジのニット。エキセントリックな洋服に合わせて、ジュエリーは個性的なフォルムのシルバーをプラス。リングはLA発のスピネリ キルコリン、イヤーカフは今シーズン2019-20年秋冬シーズンに初めてパリでプレゼンテーションを行った、アランクロセッティのもの。彼女のファッション哲学を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「気になったらまず取り入れてみるのがポリシー。新しいブランドに常にアンテナを立てて、グローバルマーケットと日本の架け橋になりたいと思っています」
photo: Yusuke Miyashita text:Shunsuke Okabe