トビリシのアートシーンを牽引するナティアの、ポップ&ヴィンテージなジュエリースタイル

今モードラバーたちが熱い視線を注ぐ、未来のファッションキャピタル、ジョージア。首都トビリシで気鋭アートギャラリー「プロジェクト・アートビート」を率いるのが、クリエイティブ・ディレクターのナティア・ブキノワだ。

トビリシで生まれ育ったナティア。ロンドンの大学に進学した彼女だが、アートの世界に飛び込んだのはふとしたきっかけからだったという。

「ロンドンの大学ではビジネスを専攻していました。大学院でMBAを取得した後、ロンドンの友人から何か自分たちで新しいことを始めないかと誘われて、オンラインショップを立ち上げました。その頃、ジョージアは今ほど知名度のある国ではなかったので、ジョージアの伝統工芸品を売ったら面白いんじゃないか、と。その後2014年に、移動式のポップアップアートギャラリーをトビリシでスタート、今のロケーションに移ったのは2017年のことです」。

ジョージアと海外をアートでつなぐナティアにとって、ファッションはコミュニケーションツールの一環だ。

「私にとってファッションは、アートと同じく情熱を傾けるもの。JWアンダーソンや、クリストファー・ケインといったロンドンデザイナーは昔からファンです。ジョージアの魅力は、様々なカルチャーがクロスオーバーしているところ。私のファッションも、ミックス&マッチが定番です」。 

そう語る彼女の手元を飾るのは、味わいのあるアンティークジュエリー、インパクトのあるシルバーバングル、個性的なカラーストーンリング。手元を印象付ける、重ねづけしたジュエリー。左手中指のターコイズリングは、ロンドンの気鋭ブランドEshviのもの。耳元にはショパールのダイヤモンドピアスが輝く。

「ジュエリーはファッション以上にインティメイトなもの。お守りにしているのは、両親から譲り受けたリング、そして妹でありデザイナーのナティア・クトシシュビリのゴールドジュエリー。個性的なデザイン、もしくはずっと飽きのこないタイムレスなアイテムに惹かれますね」。

photography: Guram Kapanadze text:Shunsuke Okabe

FEATURE