日本発、世界で輝く15のブランドストーリー
TASAKI

TASAKIが生み出す
新時代のパールジュエリー

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日本発、世界で輝く15のブランドストーリー
TASAKI

パールの可能性をどこまでも追求し、新しい美の世界への扉を開けたジュエラー、TASAKI。鮮やかな手腕でパールのイメージを刷新した気鋭のデザイナー、タクーン・パニクガルに、アイコニックなコレクションのバックストーリーやジュエリーに抱く深い愛を聞いた。

HISTORY

新たなパールの可能性を引き出した
70年の歩み

ブランドのオリジンは、自然に恵まれた長崎県の澄んだ海。田﨑家によって営まれていたあこや真珠の養殖場から、すべては始まった。創業初期の会社名は、田崎真珠。あこや真珠のすべてを知り尽くし、その美しさを最大限に引き出した田崎真珠のジュエリーは、日本の女性たちの心をとらえ、エレガントなパールへの憧れを育んでいった。転機が訪れたのは2009年。ニューヨークで活躍する才能豊かなファッションデザイナー、タクーン・パニクガルをクリエイティブディレクターとして迎え、ブランド名をTASAKIに変更。翌年から「バランス」や「デインジャー」「リファインドリベリオン」といった新感覚のパールジュエリーを次々と発表し、めざましい勢いでグローバルなジュエラーへと生まれ変わっていった。今ではパリのヴァンドーム広場にあるリッツにもブティックを構え、世界各国の気鋭クリエイターたちともコラボレーション。2024年は創業70周年のアニバーサリーを華やかに祝った。これまでにない大胆さでパールの魅力を広めていくTASAKIの躍進は、これからも続く。

パールの官能性を
幾何学的に解釈

2010年に発表された、タクーン・パニクガルによる極めてアイコニックな名作「バランス」。そこにあしらわれるあこや真珠は、TASAKIの自社養殖場で採れたハイクオリティなあこや真珠の中から、さらにトップ・オブ・トップの真珠だけを厳選したもの。そこから色や形、光沢がパーフェクトに揃った5珠を選び抜き、どの順番で並べるかまでを熟考しながら、高度な職人技でリングに仕立てている。「原石を研磨して輝きを引き出す他のジェムストーンとは違って、パールは貝の中から取り出された瞬間から、すでに完全な存在。だからパールは自然で優しい美しさがあり、同時に官能的でもあるのです」とタクーンは語る。彼はあこや真珠のシンプルで幾何学的な真球の形に惹かれ、まっすぐなバーとリングの円を組み合わせて「バランス」をデザイン。身に着けてスタイリッシュに楽しめるだけでなく、オブジェとして見ても美しいように心を配ったという。最初のアイデアが浮かんだときは、黄色のポストイットに直感的にスケッチを描いて構想を深めていったのだそう。タクーンの優れた感性がフォトジェニックなデザインを生み出し、最高級のあこや真珠に新たな命を吹き込んだのだ。

ファーストコレクションの発表以来、絶大な人気を誇るシンボリックなデザイン。「バランスシグネチャー」リング〈WG、あこや真珠〉￥566,500／TASAKI

二面性を際立たせた
食虫植物のトゲ

古くからフェミニニティやエレガンスの象徴として扱われてきた純白のパール。そこからゴールドのトゲが突き出て……。草花の生い茂る森の奥でひっそりと獲物を待つ食虫植物をイメージした、エッジィな「デインジャー」。この意外性のあるデザインに込めた意図を、タクーンはこう語る。「誰もが花は繊細で美しいと思いますよね。でも同時に、手つかずの自然には危険な側面もひそんでいます。だから今回のコレクションでは、食虫植物からインスピレーションを得たトゲやキバのようなエレメントを生かして、女性的で優美な面と、自然の驚異的な面とのコントラストを表現しようと思ったのです」。柔らかな甘さの中に強さも秘めた「デインジャートライブ」は、品質にこだわった粒揃いの淡水真珠を整然と並べたフープイヤリング。植物の有機的なラインも取り入れたデザインは、TASAKIならではの高度な職人技で仕立てられている。「自然の中には美が息づいています。ありきたりに聞こえるかもしれないけれど、これは真実なのです」とタクーン。小さなトゲをきらめかせながら、まるで外敵から自分を守ってくれているかのような、お守りとしても身につけたいコレクションだ。

ベビーパールからゴールドの繊細なトゲが放射状に飛び出す。「デインジャートライブ」イヤリング〈YG、淡水真珠〉￥347,600／TASAKI

フリースピリットな女性像を
心に描いて

「リファインドリベリオン」とは、「洗練された反逆」という意味。パールの洗練と、それに挑む反逆のスピリットをシンボリックに表現したのがこのコレクションだ。これを手がけたタクーンがイメージしたのは「今を生きる女性、自由奔放な女性」だと語る。「ラフなTシャツに合わせてもいいし、ゴージャスなドレスに合わせてもいい。エッジの効いたデザインであり、強く、大胆なエネルギーを持ったデザインです。それは女性たちにとって必要な、日常で身に着ける美しい鎧といってもいいかもしれません」。彼がこのコレクションでフィーチャーした「リファインドリベリオンカット」は、TASAKIのオリジナルカット。鋭く尖った面を上に向け、ドラマティックに輝く。デビアスグループから直接ダイヤモンド原石を購入できる資格を持ったTASAKIは、自社アトリエにあるダイヤモンド研磨の工房で、独自にカットを開発したのだという。このリングでは神秘的な光沢を放つブラックパールに合わせて、リファインドリベリオンカットのブラックスピネルをセット。正統と反逆という相反するふたつのスタイルの融合を、コンテンポラリーな感覚で実現している。

ミニマルなフォルムで魅せるユニークなデザイン。「リファインドリベリオンシグネチャーブラックスピネル」リング〈YG、南洋黒蝶真珠、ブラックスピネル〉￥387,200／TASAKI