今再び、パールが欲しい!メラニー・ジョージャコプロスに聞く、パールの魅力

パールジュエリーが今注目だ。いや、厳密に言うと、5年ほど前からトレンドとして再興の兆しを見せていたパールは、もはやモード好きのワードローブのエッセンシャルとして完全復活を遂げた。

この流れをいち早く捉え、モダンなパールジュエリーを提案してきたのがTASAKI。世界でも類を見ない養殖真珠で名高いTASAKIは、2009年にNYデザイナーのタクーン・パニクガルをクリエイティブ ディレクターに迎えて以降、数々の才能あふれるデザイナーたちとタッグを組んできた。その中の一人が、メラニー・ジョージャコプロスだ。

メラニー・ジョージャコプロスとは?

ギリシャとフランスにルーツを持ち、現在ロンドンを拠点にするアーティストで、ジュエリーデザイナーのメラニー・ジョージャコプロス。エジンバラ・カレッジ・オブ・アートで彫刻を学び、2004年に主席で卒業。幼少期から家族の影響でパールに並々ならぬ関心を持っていた彼女は、自身のジュエリーブランド、メラニー・ジョージャコプロスを立ち上げ、実験的なパールジュエリーの制作を開始。M/G TASAKIのコレクションでも披露している、パールをスライスしたデザインや、パールの中をくり抜いて別のモチーフと組み合わせるアイデアは、この時に考案されたものだ。「パールの中身はどうなっているんだろう、そんな純粋な好奇心でこのアイデアを思いつきました。真珠層が幾多にも重なっている様子が神秘的で、今では私の代表的なクリエイションの一つになっています」。2012年よりTASAKIのデザイナーとして、M/G TASAKIをスタート。年に2回のコレクションを発表している。

モードなアクセサリーとしてリバイバルを遂げたパール

かつてパールジュエリーというと、おばあちゃんのクロゼットに眠っているイメージがあった。しかし今、パールジュエリーは華々しいルネサンスを迎えている。「若い世代がパールに興味を持つのは本当に素晴らしいこと。採掘から研磨、場合によってはトリートメントと、多くのプロセスを必要とするダイヤモンドと比べ、真珠は自然の神秘をそのままの形に留めている。真珠はカットで形を変えたり、色を変えたり出来ませんから。そしてもう一つ、多くのプレシャスストーンは、台座によって支えられていますが、パールジュエリーは直接肌に触れるデザインが多い。だからこそ、よりインティメイトなオブジェとして、愛着が湧くのでしょう」。

南洋真珠を真っ二つにスライスし、パヴェダイヤをあしらった、メラニー・ジョージャコプロスによるアイコニックなデザイン。「スライスド」リング(WG×南洋真珠×ダイヤモンド)¥954,720
南洋真珠を真っ二つにスライスし、パヴェダイヤをあしらった、メラニー・ジョージャコプロスによるアイコニックなデザイン。「スライスド」リング(WG×南洋真珠 白蝶×ダイヤモンド)¥884,000

TASAKIというブランドが意味するもの

日本ほど真珠と強い結びつきのある国は珍しい。もちろん、ヨーロッパでも中世の時代から真珠は珍重されてきた。しかし日本には、世界でも極めて珍しい養殖真珠の歴史がある。長崎にあるTASAKIの養殖場を初めて訪れた時のことを思い返し、メラニーはこう語る。「今まで見たことのない光景を目の当たりにし、感動のあまり言葉が出ませんでした。真珠貝に核を入れる工程は、全て手作業で行われるのですが、若い方から熟練の職人まで、幅広い世代の職人が携わっていて、いかに日本と真珠が豊かな文化を形成してきたかということが見て取れました」。

採集したばかりのパール。長崎に構えるTASAKIの工場にて。Photo © TASAKI
採取したばかりのパール。長崎に構えるTASAKIの養殖場にて。Photo © TASAKI

TASAKIと仕事をする上で、もう一つ彼女がユニークだと語るのは、デザイナーとの関わり方だ。「ファッションブランドやジュエリーブランドが、セレブリティやデザイナーとコラボレーションを行うことは珍しいことではありません。しかしTASAKIでは、話題作りのためのコラボレーションではなく、インハウスのデザイナーとしてより深く密接にクリエイションを共にしています。だからこそ、より高いレベルでのクリエイションに専念することが出来るのです」。

最新コレクションから、3人の女性像をもとにパールのスタイリングを提案

M/G タサキの最新コレクションは、それぞれ異なるストーリーに基づく4つのデミパリュールで構成されている。中でも特筆すべきは、「ウォーヴン」と名付けられたシリーズ。ツイードのような編み込みの構造を、そのままパールに置き換えた作品は、まるでファブリックのような柔らかなデザイン、そして裏から見た時の精巧な作りが見事。「織布の構造を取り入れようとした時、どうしても重たい印象になってしまうのが課題でした。地金を細く軽やかに、それでいて全体のバランスを崩さないよう、フィニッシングの異なるゴールドを使いました。パールをどうやって固定しているか、それは企業秘密です」。「ウォーヴン」をはじめ、独創的なアイデアが光るM/G TASAKIの最新コレクション。メラニーが想像する、3人の人物像をもとに、パールジュエリーのスタイリングを指南してもらった。

M/G タサキの 最新コレクションは、伊勢丹新宿店にて先行発売中。6月1日(金)より全国発売をスタートする。

TASAKI
http://www.tasaki.co.jp/
0120-111-446

text:Shunsuke Okabe

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