バックグラウンドや美学に裏打ちされた手もとのおしゃれには、その人自身の品格がにじみ出る。異なる6人のパーソナリティを解釈したジュエリー・スタイリングから、2019年の知性を考えてみたい。
※この特集内、以下の表記は略号になります。G(ゴールド)、YG(イエローゴールド)、PG(ピンクゴールド)、BG(ブラックゴールド)、RG(ローズゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、SV(シルバー)、SS(ステンレススチール)
芸術を愛した彼のように、小指にリングを
かのフランスの詩人はいつも小指だけに三連のリングをつけていた。そのスタイルを今よみがえらせるなら、"ギャラクシーリング"と呼ばれるデザインが特徴的なシルバー、色みの異なる多様なゴールドが連なったリングを二つ重ねて。さらにその間には、イギリスの1978年製のブラッドストーンリングを挟んだ。ピンキーリングの繊細なイメージを華麗に裏切りたい。
デジタルとクラフツマンシップが軽やかなハーモニーを奏でる
弾き、歌う。現代を代表するクールなアイコン、アヴァンギャルドなチェリストは、オーセンティックなシルバーを重ねて現代的に。機能的なアップルウォッチを、フルハンドメイドのバンドにつけ替え、あえてジュエリー感覚で装着。モダンなタフネスを感じさせる。
フラワーワークの色彩感覚を指先のジェムに落とし込む
カラフルな花をアレンジするフローリストのように、指先にも色をリズミカルに配する。地金はゴールドカラー、華奢なラインで統一して石を際立たせて。ユニフォームのようにまとう白い服に映える。
若き政治家は、洗練のリングに赤をひとさじ
激動の社会を導く2019年の政治家は、ミニマルなジュエリースタイルがスタンダード。リュクスな輝きを放つダイヤモンドを基調に、マットなゴールドをプラス。そこにセンシュアルな赤のネイルをきかせて。手首には、時間を効率的に管理する彼女らしいアップルウォッチを。クラシックとモダニティを見事に融合させる。
プリミティブな動きと呼応するシルバージュエリー
有機的な曲線のジュエリーと、たおやかな動きが美しいダンサーの所作がリンクする。リングには量感のあるシルバーを。"大切な人との絆"をイメージしたバングルは、カーブが躍動的なムードを加速させる。ネイルはヌーディなベージュを選び、指先までコンシャスに。
壮絶な人生を送った画家は、石に思いを託して
描くことで自己と向き合い続けたメキシコの画家は、量感のある石に願いを込める。潜在能力を引き出すといわれるクリスタルや、困難を乗り越える力を与えるターコイズなど、その意味を大切に、お守りのように。手首には、時を大切に刻むエレガントな手巻き時計を。
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SOURCE:SPUR 2019年10月号「知性のある手もと」
photography: Yuto Kudo styling: Yuuka Maruyama 〈makiura office〉 hair & make-up: Ryoki Shimonagata model: Kovich, Alya