自然界の壮大なロマンを秘めた宝石は、大地や海からのかけがえのない贈り物。肌にまとうたび、ともに過ごした時間や、豊かな景色が目に浮かぶ。そんな唯一無二のジュエリーと出合いたい。人生という旅のなかで、私のジュエリーは思い出の数だけ輝きを増していくから。
※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)、PG(ピンクゴールド)、PT(プラチナ)
肌に花束をのせて旅に出かけよう。シャネルのシグネチャーでもあるカメリアは、カブリエル・シャネルが最愛の恋人から贈られた大切な花。カメリアモチーフをセンターに配したチョーカーと、耳たぶを覆うかのように咲き誇るイヤリングとのセットが、甘やかな記憶を呼び覚ましてくれる。
旅先の私と、日常のなかの私。カルティエの伝統的なデザインコードであるピコ(スタッズ)とビーズで、二面性を表現したフープイヤリング。フェミニンなピンクゴールドがエッジィなフォルムを描き、裏側にセットされた深みのあるオニキスのビーズが、角度により見え隠れ。女性の心の機微を映し出すよう。
いにしえより"旅の守護石"として愛されるターコイズを、無数のホワイトゴールドビーズで縁取りしたリングとブレスレット 。ヴァン クリーフ&アーペルに引き継がれるアイコニックな技術のひとつで、職人がひとつひとつ研磨している。メゾンの"サヴォアフェール"が息づいている。
小雨ふる朝。離れていても、愛猫はいつも心のなかに。輝くダイヤモンドで繊細な毛並みを、そしていたずらを企むような瞳を、ツァボライトとグリーンアゲートのなかで光る、ブラックサファイアで表現。気高く、生命力あふれる猫が、鮮やかなグリーンのネックレスをまとう姿もチャーミング。
刻々と変わりゆく、空の色を眺める窓辺でのひととき。創業時よりピアジェのインスピレーションソースである"太陽"をモチーフにしたペンダントは、ロマンティックな夕日の輝きを表現したもの。厳選された2色のピンクサファイアのシェードが、緻密なスノーセッティングでほどこされている。
海風が運んでくれる、真珠のささやき。独自の厳格な評価基準を満たした、最高品質のあこや真珠のみを使用する"ミキモトパール"。深みある光沢と真珠層の厚さが特徴だ。2mもの長さが魅力のネックレスと、ダイヤモンドのクラスプをあしらった、ドッグカラーネックレスを重ねづけして気品あふれる装いに。
イタリア語で花を意味する"フィオーレ"と、英語で永遠を意味する"フォーエヴァー"を組み合わせた、ロマンティックな名を冠したジュエリー。花モチーフにダイヤモンドのカスケードをあしらったイヤリングは、カスケード部分を取りはずすと、4つの花びらのスタッズピアスに変化。遊び心と使いやすさを兼ね備えた仕掛けがうれしい。
旅の終わりのひとときは、私の帰りを待つ、大切な人たちの笑顔を思い出しながら。アジサイの花にインスパイアされたリングは、いくつものダイヤモンドの花をブーケのように束ねたデザイン。丸みを帯びた立体的フォルムが、ダイヤモンドの輝きをさまざまな角度から反射させ、繊細な煌めきのグラデーションで指先を包み込む。華やかな手もとに。
SOURCE:SPUR 2022年1月号「旅するジュエリー」
photography: Takako Noel 〈L MANAGEMENT〉 styling: Kayo Yoshida hair: Yusuke Morioka 〈eight peace〉 make-up: Masayo Tsuda 〈mod’s hair〉 model: Marland edit: Asako Kanno cooperation: PROPS NOW