他の人とかぶらないユニークなものや、新作に惹かれるのは、ファッションをこよなく愛するモードラバーの性。一方で、誰もがよく知る定番の中には、そんな天邪鬼な人をもうならせる名品がある。
例えばティファニーの “ボーン カフ”。著名ジュエリーデザイナーであり、1974年からティファニーのクリエイションを手がけてきたエルサ・ペレッティ。彼女がこれまでに生み出した30以上の作品の中でも、最もよく知られたスタイルのひとつが、この “ボーン カフ”だ。幼少時代に訪れたローマの教会で、納骨堂に飾られた人骨に強く惹きつけられた彼女がデザインしたのは、有機的なフォルムを描くシルバーのカフス。大ぶりのデザインがパンクムードを漂わせる一方で、やわらかな隆起を描く造形はまるでアートオブジェのような佇まいだ。
インパクトがあるデザインならではの応用力の高さも魅力。王道パンクスタイルだけでなく、クリーンなシャツやエレガントなブラックドレス、はたまたカジュアルなデニムに合わせるだけで、揺るぎない “スタイル哲学” を匂わせるスタープレイヤー。いつか手に入れたい、と思っている人は早めに手に入れて欲しい。何故なら、長く使い続けることで経年変化と思い出が重なり、自分だけの “モード遍歴” を語ってくれるから。
ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク
https://www.tiffany.co.jp/
0120-488-712
art work: Tomohiro Muramatsu〈Sekikawa Office〉 text:Shunsuke Okabe
