ファッションブランドによるファインジュエリーは、今や珍しいことではない。ただし、シャネルの場合は、少しその背景が違う。シャネルがファインジュエリーを初めて発表したのは1932年のこと。ガブリエル・シャネルによるガブリエル シャネルによる「Bijoux de Diamants (ダイヤモンド ジュエリー)」は、その画期的なデザインで、ヴァンドーム広場を中心とするパリの宝飾業界に大きな驚きをもたらした。
シャネルのファインジュエリーが象徴するのは、究極のモダニズム。それは即ち、“ファッションブランド” としてのシャネルが体現するビジョンと表裏一体であると同時に、移り変わりの激しいトレンドとは一線を画す、エターナルな存在であることを意味している。
例えば、アイコンジュエリー “ココ クラッシュ” のイヤリング。一見するとシンプルこの上ないデザインながら、メゾンコードのひとつであるキルティングをディテールに取り入れることで、控えめな個性を演出してくれる。シャネルならではのベージュゴールド、そしてホワイトゴールドにダイヤモンドをあしらった異素材の組み合わせもモダン。様々な付け方を楽しめるからこそ、個性が試されるところだ。
ぱっと見てそれと分かるキャッチーなアイテムは、モードラバーなら誰しも心ときめくもの。しかし、長く大切にできる “ロゴなしのステートメント” は、時にシーズンのキーアイテムよりも雄弁に自身のスタイル美学を語ってくれる。
シャネル(カスタマーケア)
https://www.chanel.com/
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art work: Tomohiro Muramatsu〈Sekikawa Office〉 text:Shunsuke Okabe