ヘリテージブランドの再建は、モードシーンを語る上で欠かせない、重要なキーワードだ。スキャパレリ、ポワレ、そしてつい先日デビューコレクションを披露したばかりのパトゥ。長い歴史を持ち、高い品質でファンを持つブランドが、若いクリエイターの才能によって新しく開花する。なんてワクワクするんだろう。
ジュエリーの世界において、リブランディングに成功した老舗メゾンといえば、真っ先に名前が挙がるのがレポシだ。1920年に、イタリアのトリノで創業されたレポシ。「百貨店の宝飾フロアでたまに見かける、クラシックなデザインのブランド」だった同ブランドは、創業家4代目のガイア・レポシの手腕によって「ファッション業界人がこぞって取り入れるホットなブランド」へ、華麗なる転身を遂げたのだ。
ガイアが得意とするのは、抽象的なフォルムを強調した、前衛的なデザイン。中でも、フープイヤリングを重ねづけしているように見える、遊び心溢れるイヤーカフは、メゾンのアイコニックなクリエイションとして知られている。
これまで日本では、限られたセレクトショップでのみでしかお目にかかることが叶わなかったレポシ。なんとこの度、新宿伊勢丹に初となる直営ブティックがオープンしたという。その上、ここでしか手に入らない限定アイテムも登場するらしい。躍進を続けるレポシから、まだまだ目を離せそうにない。
art work: Tomohiro Muramatsu〈sekikawa office〉 text: Shunsuke Okabe