ファッションデザイナーが、ファッションデザイナーと呼ばれなくなってどれほど経っただろう。今やブランドの顔となるデザイナーは、クリエイティブディレクター、アーティスティックディレクター、そしてチーフクリエイティブオフィサーに取って代わられた。それはすなわち、魅力的なデザインはもちろんのこと、ショーの見せ方、モデルのキャスティング、広告ビジュアルから店舗のコンセプトまで、包括的な "ディレクション" によってファッションブランドの魅力を構築しているということ。言うなれば、オーケストラの指揮を振るようなものなのだ。
現代のモードシーンを牽引するアーティスティック、クリエイティブ、イメージディレクターのエディ・スリマンは、まさに指揮者としての才覚に溢れる逸材だ。常に一貫したスタイルを継承しながらも、歴史あるメゾンのエッセンスを巧みに織り込み、独自の世界観を見せてくれる。
彼が手がけるセリーヌのクリエイションにおいて、新たにパートに加わったのがファインジュエリー。夜空に輝く星に着想を得て、”エトワール セリーヌ" と名付けられたコレクションは、アイコニックなスターモチーフが目を引く。
用いられる素材はホワイトゴールドとダイヤモンド。軽やかなデザインながら、ダイヤモンドのクオリティはF〜GカラーにVVSと本格派。エディ・スリマン自身が「スキン ジュエリー」と呼ぶこれらのジュエリーは、繊細ながらデイリースタイルに力強い輝きを添えてくれる。
セリーヌ ジャパン
http://www.celine.com/
03-5414-1401
art work: Tomohiro Muramatsu〈sekikawa office〉 text: Shunsuke Okabe