以前この連載でも書いたが、蛇のモチーフに目がない。というか、ジュエリーの業界で蛇は、SNSの猫と同じくらい人気のあるモチーフなのだ。
イタリア人女優のマリア・フェリックスがカルティエにオーダーしたハイジュエリーはもちろんのこと、ブルガリの “セルペンティ”、ブシュロンの “セルパンボエム”、ダミアーニの “エデン” など、セルペンティモチーフには実に多様な解釈がある。しかし人気がある一方で、このモチーフが苦手という人もいるはず。そんな人にオススメしたいのが、イレアナ・マクリの “パイソン” リングだ。
イレアナ・マクリは、ギリシャ人のジュエリーデザイナー。1987年に初のブティックをオープンして以来、モード界隈で高い支持を獲得。昨年には、待望の日本第1号店をGINZA SIXにオープンした。
その名の如く、蛇をモチーフにした “パイソン” シリーズは、ブランドのシグネチャーとして広く知られるクリエイション。ダイヤモンドがひしめく、細めのコイルが指に絡みつく軽やかなデザインは、蛇というよりむしろ抽象的なグラフィックのような印象。眼の部分には、ツァボライトガーネットを2石あしらっている。個性的なデザインは、ドレスアップを辛口かつモダンに仕上げてくれる。