さて、突然だが本連載最後のコラムだ。ファッションとジュエリー、双方の目線からキュレートした “今欲しい” ジュエリーを半年強に渡って紹介してきた。日本ではファインジュエリーというと、とかく年配向け、ないし資産価値という見方が強いが、ファッションは洋服だけにあらず。自分に合った洋服、靴、バッグ、そしてジュエリーを見つけて、スタイリングを存分に楽しんで欲しい。
最終回で何を紹介しよう、そんなことを考えた時、様々なキーワードが浮かんだ。誰もが共感できる、タイムレスなものが良いだろうか。モードラバーのお眼鏡に叶う、ひねりのきいたデザインも捨てがたい。日常使いできて、オケージョン問わず着けられるオールマイティなアイテムならなおよし。そこまで考えたところで、やっぱり正解は “今一番欲しいもの” だと思った。
ということで、数えきれないほどある今一番欲しいジュエリーの中でも、真っ先に思い浮かんだのがエルメスのブレスレット。以前このコラムでも触れた通り、ファッション界隈における、エルメスのシルバージュエリーの絶対的な信頼は周知のこと。オシャレな人は、必ずといって良いほどエルメスのシルバーをうまく合わせているのだ。
今回紹介するのは、不朽の名作 “シェーヌ・ダンクル” の留め具から着想を受けた “エシャペ” シリーズ。柔らかな色彩のピンクゴールドが、手元に格調高い輝きを演出してくれる。細めのチェーンは、時計や他のブレスレットとの相性も抜群。ミニマルなデザインだからこそ、スタイリングの幅をぐっと広げてくれる、魔法のような一本だ。
エルメスジャポン
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art work: Tomohiro Muramatsu〈Sekikawa Office〉 text:Shunsuke Okabe
