ハワイ島といえば、火山。30年以上噴火し続けているキラウエア火山で有名です。が、実際ハワイ島での火山観光として現時点でどういうことができるのか。ハワイ島は東京都の約5倍の広さ。なので、富士山の裾野が広大で何県にもまたがっているように、ひとくちにキラウエアといってもエリアはまじで広大です。しかも、現在活動中。そのときそのときで観光の状況も変わるんですね。ということが、私も3度目のハワイ島旅にしてようやく理解できました。日本のガイドブックにはあまり情報が載っていないので、私が実際に体験してみてのオススメ火山観光の方法をここでご紹介させていただきます!
ハワイ島で行くべき火山観光スポットは、ハワイ火山国立公園。この公園名、よ~~く見てください。「Volcanoes」←そう、複数なんです。つまり、公園内にいくつもの火山があるということ。そりゃ広大に決まってるわな、と気づきました。そんな広大すぎる公園内ではずせない火山観光はふたつあります。それぞれ入り口がまったく別なので、両方を1日でやることも可能ですが、かなりハード。私は2日間に分けて出かけました。
そのうちのひとつが、溶岩大地をレンタサイクルで走り、マグマが海に流れ込む地点”オーシャンエントリー”を望むビュースポットまで行くコース。マグマ大地の上に道路が作られたのは2015年。それまでは徒歩で溶岩の上を片道2時間以上かけて行くしか方法はなかったのですが、道路ができたことでレンタサイクルが登場。オーシャンエントリーまでグッと行きやすくなりました(ってことが今回判明!)。そして、このオーシャンエントリー自体、キラウエアの噴火の状態によってなくなることもあると! ←またまた今回の判明ポイント。だからガイドブックにはあまり載ってないんですねー! 2016年に復活したそうで、それまでは3年ほどなかったとのこと(溶岩はほかの方角に流れていっていたそう)。
オーシャンエントリーへの入り口はヒロの町を抜けて130号線を南下した突き当たり。溶岩で舗装道路がふさがれた地点カラパナにあります。車で入れるのはここまで。ここから先は徒歩かレンタサイクル(ショップ数軒あり。1台10ドル前後)でしか行けません。オーシャンエントリーまで7キロ。1本道なので個人で全然行けます。ちなみに徒歩の場合はビューポイントまで片道2時間。真っ黒ではるか彼方まで広がる溶岩大地の中を歩くのは、行きは物珍しくて楽しいと思うのですが、さすがに帰りは飽きてしまうのでは。。。というのがひとりっP的感想。自転車なら行きは30分、帰りは45分。道路にはゆるやかなアップダウンがあり、帰りはトータルで上りになるため、帰路のほうが時間がかかります。
右手側にははるかキラウエアの火口へなだらかなスロープ状の大地が広がっています。遠く斜面から煙がたなびいているのは霧でも雲でもなく、噴火ガス! そして、自転車で走り出してすぐに、なんと左手側溶岩大地上に家が何軒も建っている!!のが目に入り、びっくり! カラパナの町だそう。溶岩に流されてしまう可能性があるため、土地代が激安だとか。電気や水道も自力! ううーーーん。スゴイ、としか言えません。でも火の神ペレとともに暮らすなんて、ここでしかできないこと。どんな暮らしぶりなのか気になります。
フラットに見える道路ですが、じつはゆるーくアップダウンがあり、根性ない自分は登り坂では自転車を降りて徒歩に。かつ頻繁に写真を撮りながらだったので、往復とも45分かかりました。ルートの約半分の地点までを車で送迎してくれるサービス(有料)もあり。それだとおそらく片道20分ほどの自転車ライドですね。ちなみに簡易トイレが入り口脇とルート途中にもあります。簡易型ですが、清潔で、安心して使用できます。さすがアメリカの国立公園!
オーシャンエントリーの手前でいよいよ道路も終了。自転車を降りて、海岸側のビューポイントまでは徒歩でGO!溶岩大地を5分弱歩きます。
で、でたーーー!!! オーシャンエントリー!!! 海の色が変わっているのはマグマの成分のため。持参したオペラグラスで覗いてみたら、おおおーー! 赤いマグマが! 海に流れ落ちる瞬間にときどき見えます!!(というわけで、オペラグラスの持参をおすすめします)
すごい。すごいとしか言えません。すごすぎて、感嘆しつつ畏敬の念とともに、ただただ見入ってしまいます。いくら見ていても飽きません。ここは地球が生まれおちるところ。”地球は生きている”←を実感です。周りの人々もおそらく同じ気持ちと思われ、みな静かにじっと見入っています。座り込んで、じっくり眺める態勢の人も多し。こちら、夜の光景を眺めることも可能です。夜はマグマが赤く見えるんだろうな~~と思いつつ、帰路に着きます。(*ちなみにレンタサイクルは21時半までに要返却)
黒い溶岩大地はよく観察するとかなり面白い!こんな紋様を描いていたり。
こ、これは、、、トンボーロー(豚角煮)!!? 層になっているのは、溶岩が流れてきた時期が違うため。茶色いのは日焼けした古い溶岩だそうです。へええ~~~! さすが粘性が弱くてさらさら系溶岩のキラウエア(と、むかーし学校の授業で習いました)! バームクーヘンのように溶岩がレイヤーしていくんですねー。
表面が薄くてぱりっぱりの溶岩のかけらもあちこちに。当然ですが軽い!軽石です! が、溶岩はこう見えてガラス質なので(たしかにエッジが鋭い!)、溶岩大地で転んだりすると、かなりのケガになりしかも治りにくいそう。転ばないよう気を付ける&しっかりしたシューズを履くのはもちろん、いざってときのため長袖、長パンをおすすめします。
そして、国立公園なのでそもそも禁止なのですが、この溶岩、持ち出しは厳禁。火の神ペレの怒りを買ってしまうという言い伝えがあり、それを知らずにうっかり持ち帰った人から慌てて送り返されてきたり(!!)もするそうです。ご注意を~~!
*ハワイ火山国立公園へ出かける際は、最新状況を下記オフィシャルサイトにてチェックすることをおすすめします。
ひとりっPこと編集Pことフクイユミコ。元SPUR編集長。女性のひとり旅を「ひとりっぷ」と名付けて応援中の編集者。会社員にもかかわらず、海外ひとり旅歴25年以上、回数400回超え(全部自腹)の旅バカ。おもな渡航先は、香港180回、台湾60回、タイ&シンガポール各40回、サンフランシスコ30回、中国30回、ハワイ30回、中南米各国40回、カリブ諸国30回、中近東10回など。現在年間25回ほど(全部プライベート)海外渡航。あまりの頻度に、日本入国時に密輸を疑われたことも。その圧倒的実体験をもとにした女子ひとり旅指南本『今日も世界のどこかでひとりっぷ』『明日も世界のどこかでひとりっぷ2~秘境・絶景編~』『昨日も世界のどこかでひとりっぷ3~“弾丸・無茶旅編”~』『今日も世界の果てまでひとりっぷ4〜爆バイイング編〜』に続き、初の国内編『昨日も世界の果てまでひとりっぷ5〜行くぜ、ニッポン編〜』が好評発売中。5冊とも、文・写真はすべて本人が担当。