今回は、かって海外ダイビング、リゾート旅なども共にしたことのある大先輩をお招きしての「ひとりっPの突撃ワンダートーク in The World」、略して、「突ワン」の第4回目。ゲストは人気スタイリストであり、ファッション関連の著書を多数持つ作家でもある、地曳いく子さんです。コレクションや撮影のための出張はもちろん、リゾートやグルメな旅だけでなく、かなり昔から、ロックアーティストの推し活動を精力的にこなし、日本各地から海外までパワフルにひとりっぷしています。そんな旅のエキスパートである地曳さんに、今を生きる大人のためのひとりっぷ、その楽しみ方の極意をたっぷりとお話しいただきます。
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ひとりっP(以下P):先日、地曳さんのインスタグラムを拝見していてびっくりしたんですが、1976年のクイーンの東京公演のお宝チケット写真が投稿されていましたね!海外まで追っかけているバンドはいくつくらいあるんですか。
地曳いく子さん(以下J):海外までは今はそんなにないですよ。国内は全通女、全国さんって呼ばれていたんだけれど、最近は全部は行ってません。と言いつつも、今週末、沖縄行きます(笑)。
P:さすがです!
J:追いかけているメインのバンドはひとつです。東京生まれ東京育ちだから東京しか知らなかったけれど、推しバンドのライブを追いかけたり、本業スタイリストのトークショーに呼ばれるようになったことで、日本国内あちこちに旅して、みんなのいろんなおしゃれ事情が分かってよかったです。それに、ビジネスホテルを超え、ドミトリー(※1)も泊まれる体になりました!オヤジ臭いビジネスホテルだったら、最近のカプセルホテル「ナインアワーズ」の方がきれいだよね。
P:旅が多様化しているんですよね。LCC(※2)の誕生が大きく広げましたよ。「何なら、今日行く? 席が空いてれば行けるよ」っていう感じで旅ができる世の中に。選択肢が幾通りもあって、すばらしいです。それに、免許がなくても、ウーバー(※3)が助けてくれる!
(※1)ドミトリー 他人と一緒のスペースで眠ったり過ごす相部屋スタイル。その分お値段はお手頃に。(※2)LCC ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略称。低価格の航空サービスを提供する会社。(※3) ウーバー 自動配車サービス。世界70カ国、地域の450都市以上で展開するアメリカの会社。プロと一般ドライバー、両方の配車をする。
あなたが行きたいか、行きたくないか次第!どこにでもいける
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J:20世紀と21世紀の旅って全然違うよね。あなたが行きたいか、行きたくないかの問題で、今は意思がある限りどこでも行けちゃうの。昔、免許がないのはハンデだったけれど、今は全く問題なし!だよね。私たちノードライバーライセンスだから、ありがたい。
P:だ・か・ら、ウーバーがない国は本当に困ります。カナダに行った時、バンクーバーにウーバーがなくて泣きました。リフト(※4)もなくて……。タクシーは流しで拾えないじゃないですか。でも、バスが発達していて、通りが碁盤の目状になっているから、割と移動はしやすかったんですけれど。
J:イギリスのヨークもウーバーはなかったな。バーミンガムはあったけれど。ついには、スコットランドまでいったんだ。楽しかったな~。そういえば、ひとりっPさん、ヨーロッパに久しぶりに行ってたみたいね。
P:そうなんです。弾丸でロンドンに行ってきました。
J:電車、遅れなかった? 地下鉄、行先変わっちゃうとか、イギリスの交通事情、いろいろあるんだよね。
P:それはなかったです。よく地下鉄が途中で止まるって言われていたんだけれど、大丈夫でした。あとはバスとウーバーを駆使していましたけれど。でも、夜9時ごろバスに乗っていたら、急に停まったんですよ。車内の灯りも消えちゃって、あららどうしたの?って思っていたら、故障で「降りろ!」って言われたんです! 幸いバス停が近くにあったので後続のバスに乗れましたが。
J:私も一回やられた!全然知らないところで「降りて」って。しかも、スマートフォンの電池も切れていてピンチ!と思ったら、奇跡のようにタクシーが来てくれた。
(※4)リフト アメリカのサンフランシスコ発の新配車サービス。プロではなく自家用車を運転している一般ドライバー。日本未上陸(2019 年3月現在)
ひとりっぷにスマホはマスト、バックアップは重要です!
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P:ひとりっぷだとスマホが使えないとピンチですね。この間、タイ・チェンマイで、アイフォーンを手に持ちながら自転車を押して横断歩道を渡っている時、段差のところで、ボトッて落っことしたら画面が真っ暗になって完全アウト。私はスマホ2台持ちなので、その後の旅もまあなんとかなったんですけれど。後から調べてわかったんですが、アップルストアに行けば、タイでも直してもらえたんだって。バンコクにアップルストアができたばかりだから、あそこに持っていけばよかったんだーって、気づきました。
J:そういうことを考えさせてくれるのも旅だよね。
P:日本にただいるだけでは分からないことが、旅では学べます。
J:家にいるのもいいけれど、ボケちゃうよ(笑)。でもね、われわれにGPSつけたら、相当おかしいかも。この人スパイ?みたいな。あちこち動きっぱなし!
P:あとクラウドにスマホデータを保存しておけば、アイフォーンがダメになってもアンドロイドでなんとかなるなーとか考えました。
J:今はどこでスマホが壊れても新しいのを買えばデータが復活できるわけ。だからこそ、バックアップは大事ね。アンドロイドの安いやつを現地で買って復活させたことありますよ。
いろんな事はありますが、今や旅はオンデマンド!
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P:ところで、片道チケットで旅したことはありますか? 私は去年それで台湾に行きました。なんでそうなったかというと、当然LCCだったんですが、帰りのチケットがめちゃ高かったんです。高すぎるっていっても買わないと帰ってこれないから、現地で毎日スカイスキャナー(※5)で検索してました。いつもは良いのを見つけたら、その後各社の公式オンラインで買うパターンなんですが……。
J:その方がチケットの受け取りとか安心だよね。
P:そうなんですよ。間違いないんです。探していたら、成田行きはLCCでも3万くらいで高いけれど、関空行きは1万そこそこ。関空から羽田をつけても2万前半!そっちの方が安いー!絶対こっちだー! 安く帰れるよね、ってなりました。
J:私も同じ感じで、名古屋経由で羽田に戻ってきたことがあるよ。
P:しかし、落とし穴がありました。「私、天才~!」って思って、桃園空港に行ったら、予約したジェットスターの出発が3時間遅れ。関空からの乗継便に乗れない……ガーン!!!
J:その落とし穴あるよね。
(※5)スカイスキャナー 国内外の航空チケットの値段を比較検索できるサイト
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P:バラバラにチケット買っているし、LCCだし、ダメだわーって、なりました。だったら、3万の成田行きにしたのにーって。そうこう考えながら見渡してみたら、すぐ隣のカウンターで成田行きのチェックインをやっていたんです。LCCだから無理かなと思いつつも、ダメ元でカウンターで相談してみました。「私、最終目的地が羽田で、関空で乗り継ぐことになっているんですが、このままだと乗り継げないんですよ。あの隣の成田便に振り替えてもらうことはできませんか」と、キーッとならずに落ちついて話してみたんです。けんもほろろに「ダメです!」と言われるかと思ったら、そうじゃなかった。後ろから偉い人がでてきて、端末をたたきだしたんです。「成田便は満席なんですよ。でも、もうすぐチェックインが締め切られるので、その時点で席が空いていれば振り替えます」と言ってくれたんです。「えー、LCC、意外に親切!」と祈って待ってました。30分後に「満席です。申し訳ありません」ってなり、ガクッ……、てなりましたけれどね。
J:親切だね。冷静に話したのもよかったね。
P:で、続きがまだあるんです。関空経由羽田のチケットは全日空のHPから買っていたんです。その分の1万円はパーになっちゃうと思っていたんですが、明細をよくよく見たら、3千円くらい返してくれることがわかったんで、急ぎキャンセル。おかげで3千円返ってきました。
旅はノイズを楽しむ!脳に刺激を!
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J:『ダイ・ハード』的な旅しているね。お互いだけれど。トラブルは発生するものだと思うと、ムカつかないよね。
P:勉強になったな、旅の偏差値あがったなーって思うくらい。
J:難しい問題を解いちゃったよーって。
P:最後は何とかなるから、ふぅーって、感じ。
J:旅を重ねていると、そういう力はつくよね。
P:危機を乗り越えると、東大の赤本を1問解けたみたいな、妙な達成感ありますよね。
J:人生、刺激がないと!脳の神経回路がピピピってならない。
P:そういう時は脳のシナプスがのびているんですよ。「ダメ元でやると意外といける事がある!」これ、ひとりっP格言。
現地のものを愛して、エレガントに食べる!
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J:そういえば一緒にモルディブに行った時に、まかないカレー食べた時のこと、覚えている? みんなにはチキンとかラムが出されてたんだけれど、私たちにはスペシャルな美味しいカツオのカレーを出してくれたの。忘れていたでしょう?
P:そうでした! モルディブは1島1リゾートで、そのリゾートでは食事は全員ビュッフェ。滞在してるうちにみんな飽きてカレーを食べなくなるのだけれど、私は毎日のようにサグパニール(ほうれん草とチーズのカレー)食べていて。モルディブやインドにいれば、カレーを毎日食べるのは当たり前ですよね。
J:同じカレーでも味が違うんだよね。
P:私たちはチーズの味が違う、カレーソースの味が違うって、毎日喜んで楽しんでたから、あの美味しい裏メニューのスタッフ用まかないカレーを食べさせてくれたんですよね。
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J:現地のものを愛してエレガントに食べる。兼高かおる先生(※6)に学びました。すごいことだよね。
P:イヤとか言わないですもんね。兼高先生も多様性に対する許容力があるんですよね。当時は(1959年~1990年)兼高先生並みに世界を回るって難しかったけれど、今はどこでも行けますね。
J:われわれはファーストクラスじゃなくて、LCCだけれど(笑)!歯磨きセットとパンツさえ持っていれば、世界中どこでもいける。あっ、無印のシリコンカップも便利だから必携。うがいしたい時にコップがないと不便だから。歯磨きセット、コップ、パンツでOK。私、今日着てきた服と持ち物で、このまますぐ旅に出発できるよ。
P:あはは。そうですよね。日常が旅仕様になり、旅を見越した服やモノ選びになりますね。旅は回数重ねた分だけ知恵を授かれるので、みなさんも、ぜひ!どしどし! HAVE A NICE ひとりっぷ~!
(※6)兼高かおる 150か国以上を訪問した旅行ジャーナリスト。1959年から1990年まで放映された番組『兼高かおる世界の旅』の人気レポーターとして愛された。
pnotography:Satoko Tsuyuki
地曳いく子さん愛用の旅グッズ
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主な著書 地曳いく子著/槇村さとる著『大人のおしゃれDo!&Don't ババア上等! 余計なルールの捨て方 』(集英社) 地曳いく子著/黒田知永子著『おしゃれ自由宣言!』(ダイヤモンド社)