「ひとりっPの突撃ワンダートーク in The World」、略して、「突ワン」の第5回目は、ひとりっPの、いつかドクターに機内での疑問や悩みについて根掘り葉掘り聞いてみたい!という夢が実現。旅もお買い物も大好きな貴子先生の松倉クリニック代官山におじゃまして、お話を伺ってきました。突撃弾丸旅編の『ひとりっぷ®3』(4月20日発売)の表紙にある「毎月行ける!毎週行ける!日帰りでも行ける!!!」というキャッチコピーを見つけて、開口一番「会社には行っているんですか?」と貴子先生。「みなさんによく聞かれます~。もちろん行ってますが、スキあらば、即海外ですよ!」と、楽しい旅トークがスタート!
もしかしたら私だけ? 機内でよくこむら返りになりませんか?
ひとりっP(以下P):はい、(最新刊を手渡しながら)こちら、出来立てほやほやの『ひとりっぷ®3』です。お風呂でもどこででも、さくっと読んでください。
貴子先生(以下T):可愛い写真がたくさんですね。これ、どこまで手掛けられているんですか?
P:レイアウトと校閲だけはプロの方で、あとは全部ひとりでやっているので、毎回死にそうになっています。
T:すごい~。旅にも出ているわけだから、会社に行っている時間はありますか?
P:「もう会社を辞めたんですか?」って明るくよく聞かれるんですけれど、「辞めてませんよ。れっきとした会社員です」って答えています。だから週末弾丸旅なんですよ。ほとんどは土日だけで使って行ってるんで、有休を使いまくったりとかはしていません。そこで、今日は常々、機内や旅先で気になっている疑問があるので、教えていただきたくて。まずは、機内でのこむら返りのこと。
T:こむら返り? よくなるんですか。
P:はい。座っていると足がつってきて、治まらないくて、席を立って機内の壁に手をついて、ふくらはぎをのばすこともしょっちゅうなんです。
T:飛行機の中で同じ姿勢をしていると、やっぱり起こりやすいんですよ。冷えも原因なんですけれど。
P:機内は寒いので、防寒対策はしているんですけれど、足先はどうしても冷たくなっちゃうんですよ。もこもこソックスを履いた方がいいですか?
T:それは履いた方がよいですよ。冷えがひどい時にはソックスにカイロを貼るのもいいですね。パンツの上からふくらはぎあたりにカイロを貼って、筋肉を温めてもいいと思います。
P:なるほど。機内でソックスに足先用のカイロを貼ったことはありませんでした。よい解決策になりそうです。いつも着圧ソックスを履いているんですが、逆効果になっているのかも……。
T:ギューッて圧がかかって冷えるから、やっぱり貼るカイロは必要ですね。
深夜便でも、機内で寝る人と寝ない人の差は?
P:機内で観察していると、深夜便なのに全く寝ていない人が結構いるんですね。映画を観たり、本を読んだりしているのを見ていると、寝られない体質なのかなと。
T:ちゃんと寝ないとつらいですよね。
P:ですよね。寝られる人と寝れない人の差はどこにあるのか、お伺いしたいです。私は乗ったとたんにガーッて寝ます。寝てない人はなんで寝ないのでしょう?
T:寝てない人は普段から眠りの質が悪いのだと思います。状況が変わってしまうと余計寝られなくなるのかもしれませんね。乗る数日前から現地の時間にあわせて睡眠時間をずらしておくのがベストですね。
P:メラトニンを飲んででも寝た方がよいという話を聞きますけれど、どうなんでしょう?
T:本格的な睡眠薬でもいいくらい。到着時間に応じたものを病院で相談して処方してもらうのがよいですね。
P:私はガーガー寝て、もう着くの?っていうタイプだから、不思議だったんです。寝られない方は繊細なんですね?
T:ひとりっPさんは順応性が高いんですよ。それから、ゆったり寝たいなら、あまり食事をとりすぎると睡眠が浅くなるから、食事は軽めにするのがベストですね。ひとりっPさんの場合、冷えている上に、寝ていて水分をとってないから、足がつる原因にもなっていますね、きっと。
P:あーーーなるほど。そこリンクしてましたね。そうそう私、深夜便の時には事前にフルーツミールを指定しておくんです。消化にもよいので。それに着いてすぐに現地のものをたらふく食べたいから、軽めにしておきたいんです。機内食をさっさと食べたらあとは爆睡しています。
機内は冷えを制して、ぐっすり寝るが吉!
T:フルーツは体を冷やすので、カフェインレスの温かい飲み物と一緒にいただくのがよいですよ。
P:冷え問題、私も気になってました。中国の人もフルーツは体を冷やすって言ってたし。確かにフルーツミールは身体が冷えるんですよ。食べ終わった途端、めちゃくちゃ寒くなります。寝ていて水分とらない&フルーツミールで冷えるのダブルパンチで足がつりやすくなってるんですね! カモミールティーか何か、持ち込もうかな。
T:ハーブティーのティーバッグを持って行くのがいいかもしれないですね。
P:蓋つきのサーモスカップを機内に持参して、「これに白湯を入れてください!」とお願いすればOKですもんね。
T:サーモスは持ち込みOKなんですか?
P:中身を入れてなかったら、機内持ち込みOKです。これでひとつ解決!温まるし、水分補給にもなるし、カフェインレスのものを飲めば、こむら返り防止にもなりますよね。あともう一つ。飛行機に乗ると、頻尿になるんですが・・・。
T:それも冷えです、冷え。温かいものを飲むのがよいですね。
P:寝ていても行きたくなって、しばらくは我慢しながら寝ているんですが、最終的には行かざるを得ない。だから、通路側席の確保が必須なんです。冷えを制するものは機内を制す!ですね。
T:そうですね。育毛治療している患者さんがみな同じことを言うのですが、「飛行機に乗ると毛が抜ける」と。治療で広げた血管が冷えで収縮しちゃうからなんですけれどね。だから、血管を強くする鉄分のサプリは普段から飲んでおいた方がいいですね。
P:他にも気を付けることやおすすめサプリなどありますか?
T:眠るためにお酒を飲む方がいて、飲んで気絶するように寝ちゃう人がいますけれど、ビタミンBが減るので、途中覚醒したりして、結構睡眠の質が悪いんです。もしお酒をいただくならば、ビタミンB系のサプリを飲むとしっかり寝られると思います。対人の多い仕事の人もBを消費するので、おすすめ。
P:えーーー、今すぐBを! そういう意味でいうと、旅ってすごく人と出会うから。
T:確かにそうですね。Bがなくなると、脳の安静も活性化もできなくなるので、回転が悪くなります。判断を鈍らせないためにも必要ですね。あとは血管を強くする鉄分。保湿系の飲む日焼け止めサプリメントは飲んでおいた方がよいです。
P:それは飛行機に乗る前だけでなく、普段から飲んだ方がよいでしょうか?
T:搭乗の1週間前くらいから飲んだ方がいいですよね。また、そうしておけば現地で日焼けしてもターンオーバーが高まるから日焼けしづらい肌にもなるので。
P:南国に行ってダイビングもするのですが、そうなると、水中に入って日焼け止めが落ちゃった後、一切日陰のないボートに乗る時もあるから、いいですね。
T:飲む日焼け止めって絶対日焼けしないわけじゃないんですけれど、日焼け後のターンオーバーを促進してダメージを抑えるので、必要ですね。紫外線によってはシミだけではなくて、真皮に影響してシワにもなるんですけれど、飲む日焼け止めは真皮ダメージを抑える効果が強いんです。シミはレーザーでとれるけれど、たるみがひどくなると手術しないと戻らないので。真皮ダメージの損傷を抑える意味では飲んだ方がいいです。
うっかり日焼けのケアはどうしたらいいの?
P:時差ボケについても教えてください。する人としない人の差は何なのですか。ちなみに、私は全く時差ボケしません。
T:それは機内で寝られるからです。機内で現地の到着時間に合わせて睡眠がとれるか否か。順応性もありますね。だから年を取ってくると時差ボケしやすくなるんです。時差ボケは2日目3日目がピークと言われています。到着したら、できるだけ太陽の光を浴びて、サーカディアンリズムを整えるようにしてください。
P:数年前にザンジバルに行った時にうっかりウォータープルーフの日焼け止めを忘れてしまい、普通の日焼け止めのみでダイビングを楽しんで帰国して、家の鏡を見て「顔に世界地図ができているー!」って大騒ぎしたことがあるんです。現地でうっすらと気づいてはいたんですが、ホテルの部屋が薄暗かったので、そこまでとは思ってなくて。そんな時はどうするのが正解ですか?
T:もともと肝斑があると、紫外線で悪化するんですよ。だから、モヤーッとユーラシア大陸みたいのが出てくるんですよ。
P:ユーラシアかオセアニアみたいな(笑)。現地から同僚にLINEで相談したら、とりあえず保湿!と言われたものの、ザンジバルだから、にっちもさっちもいかずだったんです。
T:繰り返しになりますが、出国1週間前から飲む日焼け止めを飲んでおくのがいいですね。また、シミ予備軍やシミができちゃった場合はトラネキサム酸系の、例えば第一三共製薬トランシーノ薬用スキンケアや、資生堂のHAKU、ポーラのホワイトショットRXSなどを使うのが炎症をおさえてる効果があってよいと思います。原因が分かっていたら、自分で対処できることが結構多いので、ケアを早めに。今は化粧品が医療に近づいてきていますからね。
P:なるほど。今は自分で何とかできるものが結構充実しているんですね。ちなみに、浮かびあがった世界地図シミを本当にきれいにしたい時にはどうしたらよいですか?
T:日焼けでシミができてしまった場合は、塗り薬、飲み薬、機械治療(レーザー)ですね。
P:わかりました!いよいよやばい〜〜!となった時は、クリニックへ駆け込みます。
T:レーザーはその部分が黒くなるダウンタイムがあるので、それが可能な時期を選んで、クリニックで受診してください。
P:ところで、貴子先生ご自身は飛行機に乗られる時にどのような対応をされているんですか?
貴子先生はどんな機内美容をしているんですか?
T:機内で、まずは目の周りのメイクを全部とって、顔全体にクリームをこってこてに塗って、マスクをします。
P:そのこってこてのアイテムを教えていただけますか?
T:機内はイトリンのスキンクリームです。香りがいいから。それに、機内持ち込みのことがきちんと考えられていて、ちゃんと3グラムなんですよね。
P:10日間の旅に事足りる素晴らしいこのトラベルキット!それに、すごくいい香りで癒される。
T:機内ということで場所が変わるから、結構ストレスかかるんですよ。あまり自覚がなくても寒かったりするストレスに襲われて。そういう時には、ストレスを緩和する香りが、一番簡単なリラクゼーション方法なんですよ。
P:分かります。私も旅には絶対アロマディフューザーを持って行きます。
T:バンフォードのハンドクリームやウカのネイルオイルなど、よい香りのものを持ち込みます。でも、隣の人の邪魔になったらいけないから、邪魔しない程度の爽やかなもの。そういう点でもオーガニック系のものだと自分だけが楽しめる感じの程よい香りで、いいですね。
P:貴子先生の機内美容アイテム、そのままセット買い希望します!
T:かごバッグをむこうで持ちたいけれど、トランクに入れたらつぶれちゃうじゃないですか。そういう、中にいれるとまずいけれど持って行きたいものを機内持ち込みにしています。パスポートなどは小さいポシェットに入れますが。
P:確かに機内持ち込みにかごバッグはいいですね。
楽しみなお買い物。香港にいて、ネットショッピング⁉
T:寒さ対策にストールと静脈瘤の人も使う着圧ソックスや貼るタイプのカイロ、マスクは必需品ですね。あと気分がもやもやした時用にリステリンのミントタブレットなど、あれこれ入れてます。ひとりっPさんは荷物は多いんですか?
P:多いです。旅慣れている人ほど小荷物というのは私の場合は当てはまらなくて、旅自体に便利なものをやめたくない。機内にもある程度持ち込んだ方がストレスがないので、便利で軽いものは全部持ち込みます。ところで、貴子先生のリラックス法は何ですか?
T:無駄遣い(笑)! ショッピングですね。
P:かっこいい~!素晴らしい!お買い物はストレス解消ですよね。私も海外に行くとついつい爆買いしてしまいます。
T:最近は仕事が忙しくて頻繁には海外に行けないので、ショッピングは海外通販です。旅をするならば、香港がいいですね。自分のサイズが充実しているので靴を、あとXO醤を買いに行きます。香港大好きなんです。
P:香港は買い付けが違うから面白いですよね。あっ、これ、ご存じですか? ファッション通販のNet-a-Porter、香港で買うと安いんです。送料と関税の分、お得。香港だと、通常でも翌日配達で、なんと当日配達もあるんですよ。香港のホテルを送り先にすればいいんです。私、やったことあります!
T:香港にいるのに、現地でショッピングクルーズしないで、ネットで買い物をする!すごい!
P:行く日に合わせて注文!をおすすめします。
P:香港のどちらのXO醤が好きですか?
T:人気のペニンシュラのより、夜上海(イエ シャンハイ)の安いのが好きなんです。
P:今度買ってみます!XO醤、お土産にもよいですよね。そして、貴子先生愛用のベージュの機内ポーチには、中にこんなに入っていたんですね。薄くてA5サイズなのに、大容量で使いやすそうですね。ちなみにキンドルではどんなジャンルのものを読まれているんですか?
T:このポーチ、タブレットを入れるのに便利なんですよ。三島由紀夫や太宰治などの地味な文学ものを読んでいます。防水だからお風呂でも読めて便利。
P:カイロまで入ってますね。収納力抜群!
T:機内は気温も湿度もかかなり低いため、何もしないでいると真冬の屋外にずっといる状態と同じくらいの体や肌へのダメージ。だから、カイロは必需品です。
P:時折、欧米人のお客さんが機内で半袖でいるのを見ると、「一体全体どうなっているの?」って思うんですよ。
T:完全に私たちと筋肉量も脂肪量、代謝量も、体の構造が違うから、体感温度が違うんです。寒いと思っていないんです。
P:そうか。色々と勉強になりました。次の旅のために用意するものがいっぱいです。
ひとりっぷは旅に住むんです!いつもやっていることの延長線上です~
T:海外へのひとりっぷは年間どのくらいされているのですか?
P:30回くらいです。
T:国内の出張なども入れたらもっとですよね。ひとりっPさんはその土地土地にはまり込めるから、すごいですよね。機内でも空港でも、どこででもよく寝れて、胃腸も強い、順応性が高いし、旅向き体質なんですね。それに加えて、その土地に浸透していくのが上手いから、私たちが渋谷に行く感覚でマチュピチュにいっちゃうんですよね。
P:香港は目白くらい、山手線に乗って行く感じです。どこに行っても疲れないのは気のせいかなと思っていたけれど、やっぱり疲れていないんですね。「旅でアドレナリン出ているからじゃない?」と言われるけれど、今度からは「ホントに疲れてないらしいです!」って言います。そうか、ひとりっPは、ナチュラル・ボーン・トラベラーってことだったんですね!
T:そうかもしれないですね。
P:誤解されがちなんですが、ひとりっPの旅は、“暮らすように旅する”ではなく、“旅に住む”がモットーなんです。
T:暮らすように旅するだと、あくまで旅っていうイメージですもんね。
P:旅は日常の延長だから、そんなに構えなくてもOK。普段やっていることと同じことをやっているだけだから大丈夫!と、いつもいろんな人に言っています。地球の上ってことで、全く一緒なんだから。“旅に住む”と思えばいいんだよって。神経質な人は性格的につらいかもしれませんが、そう思えば落ち着いて旅ができるんじゃないかな。みなさんも、どしどし弾丸無茶旅をしてください。スキあらば、即海外ですよ!HAVE A NICE ひとりっぷ~!
Photography:Satoko Fujisawa
ひとりっPの香港パトロール