3Dプリンティング+カスタマイズ+バーチャルフィッティング=次世代のオートクチュール?! vol.40

この連載のvol.37で「3Dテクノロジーが叶える、自爪にぴったりのネイルチップ」をご紹介したのですが、ますます進化する3Dテクノロジー、今度は実際に買えちゃう「3Dプリンティングで制作されたジャケット」をご紹介。


実はテクノロジー系の企業やスタートアップが数多く拠点を置いている、イスラエルのテルアビブを拠点としている若手女性ファッションデザイナーDanit Peleg。彼女が手がけている自身のレーベル「Danit Peleg」は普通のファッションブランドではありません。コレクション全てを3Dプリンターで出力するということにチャレンジしているんです。

私は彼女のことを、2年ほど前に、世界初、全てのアイテムを3Dプリンティングで制作しコレクションを発表したという記事を海外のニュースサイトで発見して知りました。3Dプリンターで出力したものというと、プラスチックのような素材感で硬い、というイメージがあったので、これで服を作るってどういうことなんだろう……?と思ったのですが、彼女はそれを逆手に取り、レース風の素材として使っていて、作っている服も普通にカワイイ。そしてムービーなどを見ているとある程度のしなやかさもありそうで、おもしろい!と興味が湧きました。

このコレクションは彼女の大学の卒業制作だったそうなのですが、あれから2年の歳月をかけて、ようやく実際に3Dプリンティングで作った服を購入できる仕組みが完成したとのこと。



100着限定だというこの「The ‘Imagine’ Jacket」はウェブサイトからカラーや裏地などをカスタマイズして、オーダーすることが可能。しかも、オーダー毎に、その人その人に合わせたぴったりのサイズに仕上げるため「nettelo」というバーチャルフィッティングアプリを使って、バーチャルフィッティングセッションをしてくれるそう。

「カスタマイズから、自分のサイズに合わせたフィッティングまでしてもらえるなんて、この仕組みは、まさに次世代のオートクチュールだわ……!」なんて感動を覚えたワタシ。早速ポチってやるぞっ!と意気込んだのですが、価格は$1,500と決してお安くなく……(涙)。1印刷するのに100時間以上掛かるということを訊くと納得とも思えるのですが、泣く泣く断念です……

All Photos by Danit Peleg
Photo credits: Daria Ratiner, taken from https://danitpeleg.com/

見れば見るほど、どのくらい伸び縮みするんだろうとか、着たときに肌に張り付いたりしないのかなとか、気になることがいっぱいです。いつか、実物を触って&着てみたい……


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市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

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